外務官僚の言ったことが正しければ、我々日本国民の血税が銃弾となってミャンマー市民を殺傷していることになる。
ミャンマー国軍がクーデターで権力を掌握して、きょう4月1日でちょうど2ヵ月が経つ。この間、市民500人以上が国軍により殺害された。(ミャンマー人権団体調べ)
ミャンマーに対するODA最大供与国である日本の責任は重大だ。軍事政権を支え、ひいてはミャンマー国民への弾圧に流用されるのだから。
国内外の世論を受けて、加藤官房長官は31日午後の記者会見で「2月1日のクーデター後、ミャンマー国軍が主導する体制との間で新たに決定したODA案件はありません」と、珍しく明解に答えた。
軍事政権へのODAが止まるのか、と期待を持たせたが、そうではなかった。
在日ミャンマー人と日本の平和団体、環境NGOなどがきょう、外務省を訪れ「日本の公的資金と国軍ビジネスとの関係を調査し、国軍の資金源を断つよう」要請した。端的に言うと「ODAを止めるよう」求めたのである。
外務省は国際協力局・国別開発協力第一課の森雄一郎首席事務官が対応した。
要請に加わったNAJAT(武器取引反対ネットワーク)の杉原浩司氏によれば、同首席事務官は次のように回答した―
「当面判断すべき新規の案件はないと言っただけ。新規のODAを止めるとは言っていない」。
外務官僚はODAの停止を否定したのである。
これまでの対ミャンマーODA案件は活きているし、新たなODAも結ばれる可能性があるということである。
ミャンマーの人々に顔向けできない。
~終わり~
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