すでに286人の市民が殺された(24日現在)。最年少は7歳の少女。レイプ、略奪・・・ミャンマー国軍の暴虐非道を外電やSNSが伝えてくる。
「日本政府はミャンマー軍事政権を認めないで」。きょう27日、在日ミャンマー人たちが、国軍と太いパイプを持つ日本政府にアピールしようと原宿、渋谷をデモ行進した。
日本企業に勤めるミャンマー人男性(38歳)の話は、同胞が追いつめられた状態にあることを物語っていた。
「非暴力がいいに決まっている。しかし家にいたら国軍に踏み込まれて連行、拷問されて、翌朝『遺体を引き取りに来い』と言われる。武器を持って戦うしかない」。
男性は名前を教えてくれた。本人も仲間も「我々は覚悟を決めているから名前を出してくれても構わないよ」と言ってくれたが、祖国の家族に被害が及んではならない。名前は伏せることにした。
「KNU(カレン民族同盟)」の旗の傍にずっと寄り添っていた大柄の男性は「(自分は)ARAKAN(アラカン・ロヒンギャ救世軍)」と明かした
カレン族は主にキリスト教徒。アラカンはバリバリのイスラム教徒である。
宗教の異なるカレン族、アラカン、カチン族などが共同戦線を組んで、国軍と戦っている。ミャンマー北部から伝えられてくる内戦のことだ。カチン族の男性からもまったく同じ話を聞いた。
デモ隊は5つの梯団(1梯団=約150人)から成っていた。500人を超す参加者だ。
ミャンマーは多民族、多宗教国家だが、民族や宗教を飛び越えて国軍に対抗する共同戦線が出来ていることは事実だろう。
こうなると外から武器を供給する勢力が現れてくる。助っ人の民兵が入ってくることも考えられる。
最大民族ビルマ族の男性は1988年の民主化闘争で弾圧され日本に逃れてきた。髪はすっかり白くなっている。
「今度は国軍が負けるよ」。男性は眼差しを遠くに置きながら言った。
~終わり~
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