安倍前首相の後援会が桜を見る会の前夜に都内のホテルで開いた夕食会の費用を、安倍事務所が補填していた・・・明白な公職選挙法違反なのだが、東京地検はきょう、前首相を早々と不起訴にしてしまった。
東京地検と示し合わせたかのように、安倍さんは、夕方、衆院会館で記者会見を開いた。それもお身内の平河クラブ(自民党記者クラブ)だけに限定して。
出席枠は全部で24名。安倍事務所によると、内訳は平河クラブ加盟社16社、平河クラブ非常勤加盟社8社(それぞれ1社1名)。
平河クラブは安倍さんから充分手なずけられており、厳しい質問は飛ばなかった。
ただ平河クラブの非常勤加盟社が辛らつな質問をぶつけた。京都新聞の記者が「今日の会見は平河クラブのみに絞っているが、当時の現職総理大臣の国会答弁に関わる極めて重い内容の会見。(なぜ)もっと広い部屋でより開かれた会見にしなかったのか?」と聞いたのだ。
安倍首相側は非常勤加盟社を入れたことを悔やんでいることだろう。
田中は記者会見の会場となった第3会議室前の廊下で突撃の機会をうかがった。
警視庁のSP、国会の衛視、安倍事務所の職員がアリの這い出る隙間もないほど厳重に警戒を固めた。
盟友の横田一氏は衛視に見つかり摘み出された。田中は大勢のマスコミ記者たちの背後で息を潜めた。1社1名に限られているため記者クラブ員といえども会見に出席できない記者がワンサといるのだ。
結局最後まで廊下にいることができたフリーは、畠山理仁氏と自民党ベッタリの某ジャーナリストと田中の3人だけだった。
記者会見の会場は衆院会館でも一番小さい部屋だった。テレビカメラが入るのを認めたが、巧妙な規制があった。
田中龍作ジャーナルのスタッフはテレビ報道をオフィスにいてチェックした。
NHKは6時15分になると会見途中にもかかわらず、とつぜん中継を打ち切った。
スタジオでの岩田明子解説委員の説明に切り替えたが、それも5分後には完全に別の話題に移った。
民放各社はまだ中継しているかとチャンネルを回して確認したが、既にバラエティかアニメしかやっていなかった。放送局同士で「会見は中継しない」とする談合でもあったのだろうか。
結局、最後まで中継したのは「日テレ24」など、地上波以外の放送だけだった。
出席できる記者を極限まで絞った閉鎖的な会見なのに、国民のほとんどは冒頭15分のみしか見ることができなかったのである。
~終わり~
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