「空にドローンが飛んでいて爆弾を落とした」。メリーさん(小学4年生)は空を指さして言った。
今回の戦争でアルメニア軍はアゼルバイジャン軍のドローン攻撃で大きな痛手を被った。虎の子の戦車をドローンの精密爆撃で失うなどしたのである。
アゼルバイジャン軍のドローンはイスラエル製だ。日本の技術が使われている。それも偵察対象、攻撃対象を識別する「目」の部分だ。
パレスチナ自治区ガザの子どもたちの多くが、イスラエルの攻撃によりPTSDを発症する。発症原因の75%はドローンだ。
メリーさんは家族と共に戦争中もステパノケルトで過ごした。一旦は首都エレバンに逃れたが、5日後には、ステパノケルトに戻ってきた。
「私たちの土地だ。ここがいい」。危険を冒してまでカラバフに帰ってきた理由を母親は語った。
家族は空爆下をシェルターで過ごした。小中学校校舎の地下がシェルターになっていた。
地下にいても「ボーン、ボーン」と着弾する音が聞こえた、という。
今のところメリーさんはPTSDを発症していないようだ。
カラバフの児童は「戦場を見なくて済む日本のようになりたい」と言った。
だが、子どもたちを育んだカラバフの大地を攻撃しているドローンの肝心要の部分は日本の技術なのだ・・・あまりに矛盾した、そして悲しい現実である。
~終わり~