5万人、10万人規模で国会にデモをかけても潰れなかった政権を倒したのは、安倍首相自らの病気だった。
午後2時過ぎ、田中は官邸に最も近いメディアであるNHKの速報で首相が辞意を固めたことを知った。すぐに自民党本部に向けて走った。首相が二階幹事長に会うと聞いたからだ。
記者クラブ員ではないことから自民党本部には入れなかった。次に衆院本館の公明党控室に向かった。首相が友党の公明党に辞意を伝えに行くと聞いたからだ。
山口那津男委員長に挨拶を終えて出てきた安倍首相は、足取りも重く目は虚ろ。ゾンビ状態だった。
7年8か月にわたった安倍政権に事実上の幕が降りた。2020年8月28日はうだるような暑い日だった。
戦後史上最悪の安倍政権を生き永らえさせてきた立憲民主党に動きがあった。
党内最大グループ「サンクチュアリの会」が枝野幸男代表を合流新党の代表に推すことを決め、きょう28日、同会の近藤昭一、水岡俊一議員が枝野氏の事務所を訪れた。
両氏は、枝野氏を合流新党の代表として推薦するとした26人の署名を枝野氏に渡した。
その際「(合流新党の)代表は枝野幸男、党名は立憲民主党ですよ」と告げた。
枝野氏は「心強く思っている」と応じたという。
清新で人気のある議員でも、代表選立候補規定を満たす20人の推薦人を確保するのは難しいものと見られている。
一枚の投票用紙に代表と党名を記入することから、今のところ合流新党の名前は「立憲民主党」で代表は「枝野幸男」になる可能性が高い。
合流新党について聞いた共同通信の世論調査は「期待しない67.5%」「期待する22%」だった。国民の大半は合流新党に期待していないのだ。
かりに安倍政権よりも悪質な政権が登場しても、またもや野党第一党が最悪政権を支えることになる。
~終わり~