命の選別発言で批判にさらされる大西つねき氏。山本代表は「(大西氏)個人の処分で終わりにできるものではない」とする見解をネット上で表明した。
それに異論はない。事は大西氏だけの問題ではないからだ。根本問題を解決しなければ、この先、別の人間がもっと大きなトラブルを起こす。
根本問題とは れいわ が組織の体をなしていないことだ。政党以前の問題である。
まず、公党であるのに組織の形がはっきりしていない。
大手メディアの記者は「窓口がどうなっているのか分からない」とこぼす。
今回のような大きなトラブルが起きた時ばかりでない。
日頃の業務で問い合わせたいことがあり、党本部に電話を掛けても、責任者は大概不在だ。
携帯に掛けても出ないことが多い。議員の事務所にかけても不在が多い。田中のみならず、大手の記者たちも同じような状態に置かれているようだ。普通の会社ではあり得ないことだ。
某社記者は「情報の公開性がない」と指摘する。事務局がはっきり伝えないため、記者たちは振り回されるのだ。
こんなことがあった―
山本が出馬するのかしないのかで世間が気を揉んでいた頃だった。翌日の総会で方針が決まるという。
れいわ幹部から総会の場所が赤坂の党本部であると聞かされていた大手の記者たちは、党本部前で待ち続けた。
田中は内部からの情報として参院会館であると知らされていた。参院会館の会議室は党所属の舩後議員の名前で借りられていた。
待ちぼうけを食らわされた記者たちは、すぐに参院会館に駆け付けた。だが待てど暮らせど、れいわ関係者は来ない。
総会の会場が星陵会館と分かった時、すでに議事は始まっていた。
指揮命令系統がしっかりしていないため、地方の選挙に応援に入った時もトラブルが起きたりする。
古参のボランティアは「(事務局は)管制塔にもなっていない。アンテナも張っていない」と嘆く。
こんな対応をしたら週刊誌にネタ(画像素材、音声素材も含めて)を提供することになる、という事案があった。ところが事務局幹部はそれが分からないまま問題処理を進めていたのだった。
れいわ事務局の実態は、自民党から共産党までが把握しているようだ。
こんな状態では れいわ が野党再編の中心になることは夢のまた夢である。
誤解のないように言っておくが、れいわの職員たちは「好青年」「好オジサン」だ。個人的な反感はまったくない。
住む所がない、食ってゆけない、生きてゆけない・・・生活困窮者たちは、生きる望みを託して山本太郎に期待し熱狂した。それは今でも変わりない。(文中敬称略)
~終わり~