山本太郎の国会活動を支えてきた人物「解党的出直ししかあり得ない」


党の存続さえ危ぶまれる問題についての記者会見であるのに場所は路上となった。党本部(写真左奥)は開いているのだが。=10日、赤坂 撮影:小杉碧海=

 大西つねき氏による「命の選別発言」を受けて、れいわ新選組の山本太郎代表はきょう10日夕方、記者会見を持った。

 山本代表は「来週にも総会を開いて除籍を提案する」と明らかにした。

 昨夏の参院選にれいわ公認候補で出馬し、現在もれいわ構成員の大西つねき氏が、自らのYouTubeで「命の選別をするのが政治。老人から逝ってもらう」と発言したのが7月3日頃。

 「ナチスの優勢思想に通ずる」として世論は騒然となった。

 山本代表によれば、自身が大西発言を知ったのは7日朝。

 山本代表は同日、声明を出した。「(大西発言は)立党の精神に反するもので看過できない」としながら、「命について真摯に向き合うチャンスを与えたい。人は変われる」と大西氏の更生に期待を寄せた。

 除籍には否定的だったのである。

昨夏の参院選で演説する大西氏。=2019年7月、撮影:田中龍作=

 山本代表の声明に対して世論は再び騒然となった。第2波である。

 共産党の志位委員長は「言語道断。公党としてのけじめが求められる」とコメントした。

 半世紀余りにわたって永田町を見つめてきた老練ジャーナリストは「山本太郎の政治生命はこれで終わったね」とサジを投げた。

 今夕、山本は路上で記者会見をした。「大西発言は一発アウト。私の一存では決められないので総会に諮る」とした。

 初期の対応とは180度の違いだ。騒然とした世論を受けての路線変更だろうが、遅きに失した。後手後手である。

 いつも痛感するのが、れいわ新選組という集団の社会常識の欠如である。この日の記者会見は自分たちで呼びつけておきながら、場所は党本部前の路上だった。時間もわずか15分間。それも10分遅れで始まった。

 これほど重大な問題の記者会見であるなら室内で開き、記者の質問が出尽くすまで対応するのが常道だ。

 自分たちで路上を設定しておきながら、「歩行者等の通行の妨げにならないよう、現場スタッフの指示に従うようお願いいたします」と記者団に注意を促すありさまだった。物の道理が分かっていないのだろう。彼らの党運営は児戯に等しい。

 参院議員としての山本の国会活動を根幹から支えてきた人物は「解党的出直ししかありえない、さもなくば支持するのを止める」と突き放した。(文中敬称略)

  ~終わり~

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