時の内閣が検察人事を支配できるようにする検察庁法改正案。きょう15日にも衆院内閣委員会で強行採決されるとの見方が支配的だったが、見送られた。
自民ベテラン陣のいぶし銀のような議会運営術が、強行採決を防いだのである。
与野党対決法案での通常シナリオはこうだ―
野党が担当大臣の不信任案提出→与党が本会議で否決→委員会再開→委員会採決→本会議採決。
ところが野党が武田良太・内閣府特命担当大臣の不信任案を出す前に、与党は衆院本会議を閉じてしまったのだ。
永田町の裏も表も知る古老は、「菅官房長官、二階幹事長のラインと森山国対委員長が動いたことは間違いない」と見る。
森山国対委員長は苦労人で他人の話に丁寧に耳を傾ける。弱小政党の議員の所まで説明に出向くほどだ。
菅官房長官と二階幹事長は政局絡みで、アベ→岸田の禅譲を潰したい。2人の思惑が一致し森山国対委員長と裏技の連携プレーになったのである。阿吽の呼吸ともいえる。
強行採決に向けた来週の動きは次のようになる―
19日(火)衆院本会議で武田大臣の不信任案を否決する。
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20日(水)与党が内閣委員会で強行採決を図る。
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野党が松本文明・内閣委員長の解任動議。
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21日(木)衆院本会議で松本内閣委員長の解任動議を否決。
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22日(金)強行採決で内閣委員会可決。
アベ一派の罪は見逃され、アベに不都合な人物は無実でも投獄される・・・検察庁法改正案の委員会採決(強行採決)は最も早くて、来週金曜日となりそうだ。
きょう、元検事総長ら検察OB14人が、改正案に異を唱える意見書を提出した。13日には仙台高裁の判事が民放ラジオ番組に出演し、「検察官が内閣の顔を伺うようになる」「まともな法治国家といえない」と語った。
世論が自民の良識派を突き動かしていることが何より大きい。
最短でもあと一週間ある。いま一度、巨大なツイッターデモがあれば、黒川法案を廃案に追い込むことも可能だ。
~終わり~
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