アベ官邸が本気で独裁の牙をむいてきたようだ。
検察庁法の改正案を審議している衆院内閣委員会の泉田裕彦委員(自民)が、強行採決に反対したところ、たちどころに委員を外された。経緯はこうだー
泉田議員は「国会は言論の府であり審議を尽くすことが重要であり強行採決は自殺行為である。与党の理事に『強行採決なら退席する』と伝えた」とツイートした。きょう午後1時08分のことだ。
泉田議員は新潟県知事時代、体を張って東電柏崎刈羽原発の再稼働を阻止していた。「強行採決反対」は泉田氏らしい意思表示だった。
ツイートは大反響を呼んだ。特捜検事出身で検察庁法の改正(改悪)に反対する郷原信郎弁護士は「まず一人、良心に忠実な議員が出てきた。頑張ってほしい」とエールをおくった。
ツイッター上は泉田議員の勇気と良心を称える声で溢れかえった。
危機感を感じたのだろうか。自民党本部から泉田氏側に「内閣委員会を外れてもらう」との連絡が入った。
これを受けて泉田議員はツイートを入れた―
「『強行採決をすべきでない』との声が届くのかわからないが、内閣委員を外されることになった」。午後4時24分である。
自民党関係者は「造反したという事実を残したくないから、泉田さんをすぐに外したんだよ」と解説する。
「かつての自民党だったら(検察庁法改正案のような法案は)総務会でストップがかかっていたのだが」と続けた。
夕方、国会議事堂前で検察庁法改正に抗議するサイレントデモがあった。泉田議員に対する自民党の対応について参加者に聞いた。
「あまりに露骨。見え見え過ぎる。昔の自民党は幅が広かったのに。日本はとんでもないことになっている」(70代女性)
「当たり前のことが当たり前じゃなくなっちゃった。そうさせたのはマスコミと国民。みんなが意識して国会を見なければいけなかった」。(60代男性)
アベ一派の罪は見逃され、アベ一派に不都合な人物は投獄される。理不尽な法改正に異論を唱えれば外される。粛清だ。
独裁の牙はやがて国民に向かう。
~終わり~
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