きょう政府が新元号「令和」を発表した。田中は日本外国特派員協会に設けられたパブリックビューイングで各国の記者と共に新元号の発表を見届けた。外国人記者たちは日本の記者と違って、安倍政権の皇室利用について批判的な視点を持っていた。
日本在住30年に及ぶ米国人記者は、新元号発表の速報をモニターで見ながらあきれ顔でコメントした。
「さすがは日本会議の安倍政権。令和とは平和を命じるという意味。治安維持法だと長いので縮めて令和。これひどい名前。命令を守れば和は保てるということ。人種差別が得意な政権だから、日本人は命令に従えば平和ということ」。
新元号に『安』の字が入らなかったことについては「安っぽくなくて良かった」と洒落た。
シンガポールの記者は、今回の新元号狂騒曲を冷静に捉えていた。
「平成は意味が分かりやすいが、令和は意味が分かりにくい。安倍総理の安という文字が新元号に入るかもしれないという話は聞いたことがある。『安』の字が入らなかったのはよかった。皇室は政治システムに関与すべきではないからだ。安倍はレガシーを残したがっていたが、(日本社会が)受け入れがたかったのではないかと思う」。
元号法の制定(1979年)には日本会議が大きく関わっている。今回、初めて漢籍ではなく日本の「万葉集」から引用されたことも国粋主義的と言えよう。
「総理、出典は中国からではなく、我が国の古典からにしましょう」と制定委員会のだれかが忖度 して言ったのではないか。いかにも安倍政権らしい元号制定劇だった。
冗談はエイプリルフールだけにしてほしいものだ。
~終わり~