豊洲移転に向けたアリバイ作りだった ― 小池都知事はきょう、築地市場を訪れ、仲卸業者らに豊洲の無害(無毒)化ができなかったことを謝罪した。小芝居である。
築地に留まるのであれば、無害(無毒)化できなかったことを謝罪する必要はないからだ。
「小池知事、週明けにも豊洲移転を表明」とマスコミが伝えている。権力の意向を受けての報道は正確だ。
きょうは業者たちからの話を聞く公聴会も設けられたが、都側が指名する業者以外は発言の機会を与えられなかった。
業者の名簿を持った司会者が「●●水産」の「◇◇さん」と言って発言者を指名した。
出席者も制限されていた。移転反対の論客である中澤誠氏(東京中央市場労働組合・執行委員長)の姿はなかった。「女将さん会(約50名)」で出席を許されたのは2人だけというありさまだった。
「入れさせろ」「ダメです」・・・会場入り口で女将さん会と都職員が押し問答をする場面もあった。ある女将さんは悲壮な形相で田中の手を握り「(築地で何が起きているのかを)伝えてね」と訴えてきた。
指名された発言者は、6対4くらいの割合で豊洲移転賛成の方が多かった。移転反対論も出たが おおむね マイルドだった。
それでも、辛らつな発言が飛び出した。「テレビのコメンテーターは『移転延期で市場関係者は困っている』と言っているが、私たちは困っていません」。
女将さん会は危機感を募らせる。会長の山口タイさんは、立ち去ろうとする小池知事に向かって声をかけた。
「 移転ありき ばっかりだった。オリンピックより市場のほうが大切ですよ」と。
小池氏は都知事選で豊洲移転への慎重な姿勢を見せ当選した。きょうも仲卸業者らを前に「築地市場は世界でも稀に見るブランド力」と期待を持たせた。ある種、詐術だ。
豊洲新市場のランニングコストは築地の5倍になると見られている。
コスト増は鮮魚、青果への価格に転嫁され、業者の負担増となり、都民の税金も上がる。
使い勝手が恐ろしく悪く、費用負担が格段に増す豊洲には行きたくない、という仲卸業者の方が圧倒的に多い。
実際に豊洲への移転となったら「行きたくない」は「行かない」「行けない」となるのは必定だ。
魚河岸から目利きがいなくなれば、日本の食文化は衰退する。築地移転は東京都民だけの問題ではないのだ。
~終わり~
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