築地市場の豊洲への移転問題が風雲急を告げている。小池ゆりこ都知事が選挙戦で掲げてきた「情報公開」「都政改革」への本気度がモロバレになるからだ。
「小池知事、築地は日本の宝ですよ」・・・豊洲への移転に反対する市民や仲卸関係者がきょう、都庁のお膝下の新宿でパレードした。(呼びかけ:本家本元ええじゃないか 浦邊力)
横断幕を握り先頭を歩くのは、東京中央市場労働組合執行委員長の中澤誠氏だ。氏はマイクを握り、豊洲は鮮魚を扱うのには危険な環境であることを説明した。そして次のように訴えた―
「セリでは仲卸が主役。この人達が値付けをするということが卸売市場の前提になる。すでに何十件もの仲卸が豊洲に行っても先の見通しが立たないということで、どんどん店を畳んでいる。廃業を予定している業者は100軒ではきかない」
「仲卸が価格形成をするセリでは全て公開の下で行なう。現物を目の前にして行なう。これが壊れてしまうと本来ならちゃんとした値段が付くべきものが大手流通の思うような値段になっていくだろう。すると生産者の手取りもどんどん減っていく」
「築地の大きな役割は東京に集まってきた冨をちゃんと適正な価格で地方に戻すこと。役割を壊すと日本の中の格差を広げるということになる。国の形が変わる。日本の漁業がどうなるのか。だからぜったい築地は守るべきです」。
東京ガスの工場跡地に建つ豊洲新市場は問題だらけである ―
土壌ばかりか空気中にまで発がん性物質の存在が確認された。店舗は狭くてマグロ包丁を使うのに支障をきたす。床がターレーの重みに耐えられない・・・
「ええじゃないか、ええじゃないか、築地でええじゃないか、世界に誇る日本の文化」。ドラムのリズムに乗ったお囃子が、新宿のビル街に響いた。
~終わり~