戦争法案反対デモを引っ張ってきた学生リーダーは負けていなかった。
殺害予告の脅迫状を送りつけられたSEALDsの創立メンバー、奥田愛基さん(明治学院大学4年生=23歳)が、今夕催された反安倍政権デモに参加した。
「めげてないね?」と声をかけると、奥田氏は「しぶとくやるしかないっすからね」と淡々と答えた。
事件を考慮して今夕はサウンドカーに上がらなかった。脅迫事件から間もないことから奥田氏の参加を危ぶむ声もあった。
デモ隊の中にいる奥田氏を見つけた人は「頑張ってね」と声をかけたり、握手をしたりした。
奥田氏はデモ行進しながら田中龍作ジャーナルのインタビューに答えた(太字が奥田氏のコメント)―
「生活格差が広がり、安保以外にもこの社会で生きていることに不満がある」としたうえで「発言する自由を大切にしたい」と語った。
安倍政権による世紀の愚策にNOと言ったため、脅迫状を送り付けられたのでは、言論も何もあったものではない。
その目はサウンドカーの上でスピーチする、弟分の高校生を見つめていた。
「『若いから凄い』ではなく(行動を)見てほしい」。奥田氏は強調する。
雨が降りしきる国会前、新宿伊勢丹前。老いも若きも、男も女も、共産党員も創価学会員も「戦争法案ゼッタイ反対」「安倍は辞めろ」と声を一つにした。
強力な磁場を作ったのはSEALDsだった。
「若者を(政治に)無関心にしたのは大人たち。オレたちだって考えているわけ」。
おまかせ民主主義。大人たちが政治を放っておいたツケが若者たちに回っている。奥田氏らはそれを可視化してくれた。
~終わり~