30日にあった「戦争法案反対集会」で、国会周辺を埋めたおびただしい数の参加者。人数をめぐっては、見解にあまりにも大きな開きがある。
百戦錬磨の超ベテランカメラマンと老練な市民運動家の2人は「国会正門前に6万人」と読んでいた。
甲子園球場が満席になった時が6万人(消防法との絡みで公式発表は5万人としている)だ。
30日の国会正門前の人出は、すり鉢状の甲子園球場スタンドを長方形にしたようだった。ベテランカメラマンと老練市民運動家は、的確に数字を読んでいた。
ここまでなら参加者は6万人ということになるのだが、事態はそんな落ち着いたものではなかった。
メトロ桜田門駅や霞が関駅から出てくる市民が、洪水のごとく押し寄せていたのである。午後2時頃だ。(警察のバリケードが決壊したのは1時40分)
日比谷集会を終えた参加者も国会前に向かった。霞が関周辺は国会前に向かう市民で溢れた。
警察が国会正門前道路への入場規制をしていたため、参加希望者は国交省前で足止めをくらった。
霞が関一帯には国会正門前道路と同じ位の人数がいたと見られる。6万×2=12万人となる。「国会周辺に12万人」は盛りではないのだ。
午後4時、主催者が「気をつけてお帰り下さい」と呼びかけた。ゾロゾロと帰る人もいたが、国交省側から正門前に向かい流れ込んで来る人も同じ数ほどいた。
主催者の水をさすようなアナウンスさえなければ、満杯状態にあった国会正門前道路は、10万人を超す人々の前方圧力により、新たに決壊していたことだろう。今度は正門の真ん前が。
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