体を張って政治の不正を糾弾しようとする若者は、権力にとって目障りなようだ。
「安保法案反対」を訴え、国会前で8月27日からハンストを続けている学生がパラソルを拡げていたところ、警察が「通路の確保」を名目に圧力をかけてきた。
学生からのSOSで筆者はすぐに現場に急行した。
2日午前11時20分ごろ。学生たちのそばには支援者が3~4人しかいなかった。手薄なのを狙ったのだろうか。
警察の機動隊約10人が小隊の旗を立ててやって来た。
小隊長とおぼしき警察官が高圧的に告げた―「雨が止んだからパラソルをたため。通路を確保するための予防措置だ」と。
きょうの東京地方は真夏がぶり返したような強烈な陽が照りつけた。
パラソルで陽ざしを避けなければ熱中症になる。氷2袋を差し入れた支援者もいたほどだ。
ただでさえハンスト7日目で体力は弱りきっているのだ。
12時15分、弁護士が駆けつけると様相は一変した。残念ながら筆者は弁護士と警察の会話は聞きとれなかった。
機動隊はゾロゾロと退いて行った。弁護士が帰ると、今度は制服警察官が一人で現れた。
「そのつど配慮をお願いするかもしれません」。警察官は丁寧なもの言いだったが、学生たちにとっては十分なプレッシャーだったようだ。
無用の衝突を避けるため学生たちはパラソルを畳んだ。警察官は帰って行った。午後1時20分。ちょうど2時間の攻防だった。
ハンストの学生は一昨日1人、昨日1人、そして今朝1人、ドクターストップがかかった。残るは1人だ。
官憲に妨害されることなく、最後まで志を遂げさせてやれないものか。
~終わり~
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