血の通わぬアベシンゾーに身内からの反乱が始まった。広島県議会の自民党議員が、きょう、首相官邸を訪れ、「安保法案の即時撤回」を求める1万3千筆の署名と要望書を提出した。
安倍官邸に反旗を翻せぬ自民党国会議員団と違って気骨ある行動をとったのは、小林秀矩・広島県議会議員(63歳)。40年間、自民党員という生粋の保守だ。
官邸を訪れた小林県議に応対したのは、衛藤晟一首相補佐官だ。安倍首相がアニキと慕う御仁である。
小林県議は「集団的自衛権の行使は憲法違反だから、安保法制は即時撤回されたい」とする安倍首相宛ての要望書を手渡した。
衛藤補佐官は「憲法9条に違反しているとは言えない。米軍の後方支援をしなければ国際社会で孤立する」などと答えた。
小林県議によれば、面談時間50分間のうち95%は衛藤補佐官の発言だった。衛藤補佐官が一方的にまくし立てたのだ。
政府首脳はふた言目には「国民の声に耳を傾けながら丁寧に説明する」と言うが、まったくのウソだったのである。
小林県議は「話がかみ合わなかった」と肩を落とした。
小林氏は地元の庄原市で8月1日から署名活動をはじめ31日までに1万3千筆を集めた。
同市の有権者(3万2千人)の4割以上が「安保法案撤回」に署名したのである。
「日を増すごとにアレルギーが強まっていった。女性の5割が安倍嫌いだった。『安倍さんの顔を見るのもイヤ。テレビに映っていたらテレビを消す』というほどだ」―小林氏は多くの署名が集まった理由を説明した。
「地方議員には(安保法案についての)説明は全くなかった」。小林氏は憤る。
「ぜったい戦争してはいけない。安保法案に永田町の方程式は通用しない」。
地域を大事にする伝統的な保守政治家の姿があった。
『ひとりの学会員』さんに続いて現れた『ひとりの自民党議員』。勇気ある造反者と言えよう。
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