「武藤議員は北海道の人です。東近江の人ではありません。今すぐ辞職して北海道に帰って下さい」。
JR近江八幡駅駅頭でマイクを握って呼びかけているのは、地元の女性有権者(40代)だ。
国会前に集まり戦争反対を訴える若者たちのことを「利己的個人主義」と決めつけ、憲法3原則を否定するかのような持論をツイッターやブログで発信し続ける武藤貴也議員(自民)。
世論の批判を浴び今や時の人ともなっている。武藤議員の選挙区(滋賀4区)では、とうとう落選運動が巻き起こった。
きょうは市民10人余りが、地元有権者の行き交う駅に集まった。
「武藤議員、あなたこそ戦場に行け」「憲法を否定する武藤議員は辞職を!許さへんで」・・・同議員を糾弾するプラカードが翻った。
「武藤議員を国会議員に選んだのは、滋賀県民の不徳の致すところ。今後武藤議員のような人間を当選させてはならない」
「武藤さん、あなたは国家が大切なんですか、それとも国民の命が大切なんですか?」
―こう声を張り上げたのは、滋賀2区の男性有権者(会社員・40代)だ。
冒頭の女性有権者(滋賀4区)は「生活の基盤=平和なのにそれをぶち壊す。世間的には犯罪者と同じ」と顔を真っ赤にしながら話した。
落選運動の現場には高校生1年生の姿もあった。バスケットボール部の練習を休んで参加した、という。
「戦争は人間のすることではない。そんなに戦争がしたいならゲームでしろ」。彼は少年らしくストレートに怒りをぶつけた。
駅からタクシーで10分ほど走った所にある武藤議員の地元事務所を訪ねた。
事務所員によれば、「(ツイッター上での発言が問題になってから)電話がひっきりなし。北海道から九州まで全国からかかってくる」。
「日本男児だ、よく言った」などの激励がある一方で「お前が戦争に行け」などという叱責もあるそうだ。
盆踊りたけなわ。国会議員が地元に溶け込む最高の機会だ。武藤議員は、昨年は盆踊りに帰ってきたが、今年はまだ予定が決まっていないという。
前出の地元事務所員は「(マスコミが押し寄せて)地元に迷惑をかけてもいけませんからねえ」と説明した。
『安倍チルドレンとして総理のホンネを代弁しただけなのに・・・』武藤議員は内心悔しがっているのではないだろうか。
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