大学生の3人に1人が「官製ローン」と言われる奨学金を受給し(文科省まとめ=2012年)、多くは過酷なブラックバイトに追われる。大学生=貧困層と言っても過言ではない。
安倍政権が目論む「経済的徴兵制」は確実に若者の足元に忍び寄っている。
「借金のカタに戦地に行かされるのはゴメンだ」。将来、銃を手に取る可能性のある学生たちがきょう、若者の街・渋谷で戦争法制に反対する声をあげた。(主催:SEALDs)
都内の大学4年生(男子)は奨学金560万円の返済を背負う。就職はまだ決まっていない。返済は「悩みだ」と重い口調で話す。
彼がマイクを握った―
「いったいなぜ、学校に行きたい若者が昼夜バイトを掛け持ちしなければいけないこの国で、私たちは国のために戦わなければいけないのでしょうか?
奨学金が返せない学生は防衛省でインターンシップをすればいいと、先日政府の発言がありました。お金もない、地位もない、選択肢もない若者を戦争に駆り出すつもりなのでしょうか?
安倍総理、もしくは政府の皆様にお願いです。もう国民を守るためとウソをつくのは止めて下さい」。
『田中龍作ジャーナル』は片っ端から参加者に聞いたが、半分は奨学金を受給していた。
奨学金を受給していない学生も「経済的徴兵制」への怒りを露わにした。
「経済的徴兵制を聞いた時はムチャクチャ驚いた。奨学金を返せないために本当は自衛隊に行きたくないのに行かされる。許せない」。こう語るのは都内の高校2年生(女子)だ。
主催者は全政党に声を掛けたが、与党議員は来なかった。野党は民主、共産、維新、社民、生活が参加した。
共産党の志位和夫委員長と維新の初鹿明博議員が手を取り合う場面もあった。
山本太郎議員が声を振り絞るようにして呼びかけた―
「経団連が今より安い労働力を爆発的に増やせと言っている。組織票、資金提供を受ける政治家は皆さんのことは全く考えていない。大企業に対する御恩返しだけ。
戦争法案とんでもない。70年続いた日本の平和ブランドを一気にクリアランスセールすること。
安倍政権になって真っ先に武器輸出三原則を廃止した。武器を外国に売れと政治にプレッシャーを掛けて来た。武器を作って儲けようとして売る企業がいっぱいいる。企業が儲けてもあなたの財布は潤わない。政治を変えなければダメなんです」。
戦争と貧困はコインの裏と表だと言われる。それを地で行くのが奨学生だ。安倍首相の自己満足と資本家の利益追及のために大事な人生を奪われては、たまったものではない。
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