1日朝放送のNHK日曜討論を見て違和感を覚えた人は少なくないのではないだろうか。
国会議員5人を擁し政党要件を満たしている「生活の党と山本太郎となかまたち」と「日本を元気にする会」が外されているのだ。
翌2日、同党の事務局がNHKに抗議したところ、きょう(3日)午後、日曜討論の番組プロデューサーら2人が、国会内の同党控室まで説明に訪れた。
説明に立ち会った山本太郎事務所職員によると―
NHKは、「出演基準として公職選挙法第86条の1項、2項の両方を満たす必要がある」と説明した。
所属国会議員が5人以上で、直近の国政選挙で2%以上の得票がある政党ということになる。
「生活の党と山本太郎となかまたち」と「日本を元気にする会」は、それぞれ5人の国会議員がいるが、2%の得票はない。
この基準が厳正に適用されているのならば、納得がいく。だが、その時々で適用されたり、されなかったりする。泣く政党もあれば、笑う政党もあるのだ。
説明に訪れたNHKは「今回は7党(※)で行くと決めた」と のたまった のだそうだ。場当たり的もいいところだ。
何より放送法に違反する。放送法第4条は「政治的に公平であること。意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること」と規定している。
3日夕方の定例記者会見で小沢一郎代表は「NHKの思惑は知らんが、その時々でゴチャゴチャ言ってる…」。
政権党(自民党、民主党)で長く幹事長を務めた小沢氏は、NHKが政権の影響を受けやすいことを見抜いているのだ。
両党(「生活の党と山本太郎となかまたち」「日本を元気にする会」)に共通するのは、安倍首相の中東歴訪が今回のテロ事件につながったと指摘していることだ。
山本太郎代表は事件が発覚するとすぐに自身のツイッターで「2億ドルの援助を中止して、人質を救出して下さい」と安倍政権に訴えかけた。
日本を元気にする会の松田公太代表は28日の参院代表質問で、カイロでの安倍首相の演説に触れ、「日本が本格的に戦争に加担することになったと捉えることができ、口実を与えてしまった」と追及した。
小沢一郎代表に至っては1月25日放送のNHK日曜討論で「イスラム国にとっては宣戦布告とも言えるような(安倍首相の)演説」と喝破した。
NHKが「生活の党と山本太郎となかまたち」と「日本を元気にする会」を外したのは、「テロとの戦い」に突き進む安倍首相の意向を忖度した結果と言えよう。
業を煮やした小沢代表は、山本太郎代表とデニー玉城幹事長に対して「NHKに乗り込んでバシッと言ってこい」とハッパをかけた。
山本代表らは近くNHKに抗議の訪問をする。
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(※)7党
自民、公明、民主、維新、共産、次世代、社民。