「ロシアへの併合」などを問うクリミアの住民投票は、日本時間のきょう(16日)、実施される。
住民投票の選択肢は二つ。「ロシアへの併合」か「自治権の確立」か、だ。ウクライナ新政権や米国、EUは住民投票自体を非合法として認めていない。
西側のメディアは自治権の確立を「ウクライナに留まる」としているが、内容は「自主憲法の制定」など独立に近い。
選挙管理委員会によると有権者は150万人(人口約200万人)。投票時間は朝8時(日本時間16日午後3時)から夜8時(日本時間17日午前3時)まで。住民投票の結果が出るのは18~20日頃になりそうだ。
クリミア政府庁舎前の広場には多くの市民が集まり気勢をあげた。ロシア国旗を体に巻き付けてハシャぐ若者たちもいた。ステージではロシアのフォークダンスが披露された。ロシア革命の父レーニンの巨大ブロンズ像が広場を見下ろす。
1954年、フルシチョフ書記長がクリミア半島(セバストポリ除く)をウクライナにプレゼントし、1991年にはアル中のエリツィン大統領が酩酊した状態で「クリミア全土はウクライナに帰属」とする書類にサインしてしまった。
不本意な運命をたどってきたクリミアだが、間もなくロシアに戻るかもしれない。レーニンは歴史のドタバタ劇を草葉の陰からどんな思いで見つめているのだろうか。