構造上の欠陥から墜落事故が相次ぐ「垂直離着陸輸送機オスプレイ」が明日(23日)、米軍岩国基地に民間輸送船で到着し陸揚げされる。オスプレイは岩国で試験飛行を重ねた後、8月に沖縄に配備され、10月から本格運用が始まる予定だ。
岩国基地への搬入を前日に控えた22日、岩国市内で「オスプレイ配備に反対する緊急集会」(同実行委員会)とデモが行われた。
『高知』『奈良』『岡山』…市役所前広場には全国各地から参加した平和団体や市民団体の旗が林立した。オスプレイは本州、四国、九州の6ルートで低空飛行訓練が予定されているため、反対の声は全国に広がる。
米軍基地から車で15分の所に住む主婦(30代)は、子供(2歳・男)の手を引いて参加した。「自宅の窓から米軍機がよく見える。オスプレイは事故の問題を抱えているので来てほしくない。子供に怖い思いをさせたくないから。子育てしやすい街と云われる岩国を守ってゆきたい」。
沖縄から駆け付けた参加者もいる。安次嶺現達さん(53歳)。安次嶺さんは沖縄県東村高江地区の米軍ヘリパッド建設に反対する地元住民だ。高江地区を囲むように作られる6つのヘリパッドは、オスプレイの離着陸施設であることが判り、反対運動はさらに熱を帯びている。
「あんな危険な物が沖縄の空を飛ぶ。国は沖縄県民の命をどう思っているのか?オスプレイは岩国と沖縄だけの問題じゃない。日本国民一人ひとりが動かないといけない」。安次嶺さんは憤りを隠さなかった。
飛行機なのか、ヘリコプターなのか。安全性が確認されないまま、持ち込まれようとしている奇妙キテレツな飛行物体オスプレイ。明日、反対派の市民たちは漁船をチャーターし、海上から日本への搬入を阻止する構えだ。
《文・田中龍作 / 諏訪京》
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