27日午後5時、自主退去の期限を迎えた「脱原発テント」周辺は、駆け付けた支援者で黒山の人だかりとなった。経産省が警察を投入して5時01分に強制撤去(実際に手を下すのはガードマン)しようにも、手を出せないほど経産省前は500人を超す人で埋め尽くされた。
昨年9月に脱原発テントを設営した「憲法九条の会」の渕上太郎さんによれば、経産省による強制撤去に対する法的措置はまだ講じていない。
原発事故で散々な目に遭った女性たちは、お上の高圧的な姿勢に怒りを募らせる。テントを守り抜くことへのボルテージは高まる一方だ。郡山市から東京に自主避難してきた母親は「きょうは樺美智子になるつもりできた。福島の女をなめんなよ」。
「NO NUKES」の手製プラカードを持つ女性(非正規労働者・20代)は、船橋市から足を運んだ。テント前は初めてだ。「新聞・テレビではなくインターネットで本当のことを知った。民衆の数の力でテントを守るしかない」。女性は奥歯を噛みしめた。
27日の時点で経産省は手出しできなかった。市民の力が脱原発テントを守った。