都政の暗部を知り尽くした男が都知事選挙に打って出た。
記者会見の開放で記者クラブに悲鳴をあげさせた、元ジャーナリストの上杉隆候補は街頭演説でもタブーに踏み込む。
「政策論争がなくて政党の党利党略で候補者が決まった・・・東京は都民のもの。自民のものでも、公明のものでも民進、共産のものでも、メディアのものでもない。なんで東京のことを知らないリーダーを勝手に決めるのか?」
無駄遣いの典型とされるオリンピックについても厳しく指摘した ―
「石原知事の時、(日本中の銀行を敵に回した)外形標準課税の訴訟費用として備えていた4,500億円が不要になったので、じゃあオリンピックをやろうということになった。(このため全会場が)8キロ圏内というコンパクトオリンピックだった。
ところが森(喜朗)会長になって使うわ使うわ、今では2兆円から3兆円かかると言われている。そういう勝手なことは許しちゃいけない。2兆円も使わないでできる方法はあるんです」
応援に入った松沢成文参院議員(元神奈川県知事)は、政策のない有名人が野党統一候補となっていることを批判した。
松沢氏は都議会の腐敗を明かした。
「どこからもチェックされない伏魔殿に都庁と都議会がなってる。一般の議員にも公用車がつくのは都議会だけ。これが実態なんです」。
「与党の都知事を作りたいから、いま自民・公明は必死なんですよ。東京都庁には利権ができちゃってる。利権を壊そうとすると全員でイジメる」。
マスコミと権力にとって厄介な候補者は「その他大勢」扱いされる。参院選での三宅洋平氏と同じだ。
小雨の降るなか聴衆は身じろぎひとつせず、上杉候補の話に耳を傾けた。
宇都宮健児氏が名誉ある撤退をした今、データをちゃんと挙げて都政を語れる候補は、上杉氏くらいかもしれない。
~終わり~