関電高浜原発4号機で1次冷却水が8ℓも漏れているのが20日、見つかった。
冷却水の漏えいは苛酷事故に直結する。冷却水を失った炉心は数時間以内に炉心溶融(メルトダウン)するからだ。
にもかかわらず関西電力は予定通りあす(26日)、高浜原発3、4号機を再稼働させるつもりだ。
環境団体や住民団体などがきょう、国会内で原子力規制庁と交渉を持った(主催:FoE Japan/おおい原発止めよう裁判の会など)。
関電が事故原因としている「配管弁のボルトのゆるみ」が最大の争点となった。
関電の説明によると、「問題のボルトは2008年の点検時に締めたが、その時(2008年点検時)の締め方が緩かった」ということだ。
変だ。4号機は2008年以降も2度起動しているのだが、関電が言うように配管弁のボルトが緩かったら、これまでにも冷却水が漏れているはずだ。
環境・住民団体の追及に規制庁は「2008年には締まっていたとの記録がある」と答えた。関電の説明と矛盾する。関電は規制庁にウソの報告をしているのだろうか?
規制庁は「その後(2008年の点検後)緩んだことも考えられる。運転を停止していてもボルトが緩むこともあると聞いている」などと苦しい言い訳をした。
かりに規制庁の説明どおりだったとしても問題は大きい。ボルトが緩むということが、設計ミス、あるいは材質選択ミスであるからだ。
多量の冷却水の漏えいはメルトダウンに直結するのに、関電と規制庁の説明が食い違う。規制庁は あやふや な説明に終始する。
さらには、腰を抜かすような発言も飛び出した。中桐裕子管理官補佐は「起動(再稼働)と今回の事象(冷却水漏えい)は別だと考えている」と言い放った。こんな人たちに原発の規制監督を任せて大丈夫なのだろうか?
重大なトラブルを見過ごして原発を動かせば、どのような結果を招くか。東電福島原発で起きた苛酷事故を見れば、それは火を見るより明らかである。
高浜原発の再稼働が決まった時、新聞テレビは華々しく報じたが、冷却水漏えい事故は扱いが地味だ。きょう持たれた環境・住民団体と原子力規制庁の交渉に、マスコミの姿は1社もなかった。
福島の教訓が忘れ去られようとしている。
~終わり~
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