米大統領選挙に旋風を巻き起こすバーニー・サンダース上院議員。ニューハンプシャーで9日、行われた民主党候補者選びではヒラリー・クリントン前国務長官に一馬身の差をつけ、本命に踊り出た。ホワイトハウス入りも現実味を帯びる。
「弱者のために政治はある」。サンダースの政治哲学は、山本太郎参院議員と共通する。
「連邦政府が奨学金の返済から利益を得るのを止めさせる」「政治から大資本を追い出し民主主義を取り戻す」・・・(バーニー・サンダース候補公式HPより)https://berniesanders.com
「連邦政府」を「安倍政権」、「大資本」を「経団連」と置き換えれば、サンダースと山本の政策は驚くほど似ている。
山本は2013年の参院選挙戦から派遣労働をはじめとする貧困問題をテーマに掲げてきた。決してサンダースにあやかっている訳ではないのだ。
去る12日、国立市で開かれた国政報告会で山本は時間の大半を貧困問題に割いた。
「大学生の2人に1人が奨学金を借りていて、そのうちの7割から8割が有利子。延滞金返して、利息返して。これじゃサラ金のシステムじゃないか。(政府は)年間で378億円の利息収入を得ている。延滞金収入は40億円・・・これだけ(418億円)の財源があれば、無利子の奨学金対応ができるはず」。
意図的に作り出される貧困。山本は昨夏、経団連が目論む経済的徴兵制を国会で暴露、追及した。
筆者は山本に「サンダースとあなたは言ってることがよく似ているが」と聞いた。
「若い人たちがあの人(サンダース)を支持しているのは、いかに若い世代の首が絞められているかということ。言ってることが似ているというのは世界中がそうなんじゃないか」。山本の答えは明快だった。
アイビーリーグを卒業しても低賃金で不安定な仕事しかない。健康保険はバカ高くて加入できないため、10年以上も病院にかかっていない・・・
強欲資本が創り出した貧困に抗議する人々が2011年、NYウォール街の公園をオキュパイ(占拠)した。
「1%(富裕層)が99%(庶民)の富を収奪する社会はおかしい」。サンダースは公園で起きていた惨状を克服するための政策を掲げた。サンダースを熱狂的に支持するのは、国家によって貧困に陥れられた若者だ。
山本陣営の選挙ボランティアも若い世代が中心だった。日本のバーニー・サンダースを支持するのは、米国同様99%の側だ。(敬称略)
~終わり~