「手を こまねいて いたら自民は大阪維新と くっついて (来夏の参院選で)3分の2取る」。こう予測するのは法政大学の山口二郎教授(政治学)だ。
選挙情勢に詳しく政界の事情にも明るい山口教授の分析だけに現実味がある。理由は野党共闘が上手く行っていないことにある。
「あそこの党とは政策が違う」「あそこの党と一緒にやると中道保守の票が減る」・・・自分の尻に火が点いていることに気づいていない野党第一党の決まり文句だ。現実認識に著しく欠ける。
このまま進むと改憲され、民主主義が根こそぎ破壊されてしまう・・・危機感を抱く地方の野党議員が「立憲主義の回復、安保法制の廃止、野党市民連合の可能性」を探るシンポジウムをきょう、都内で開いた。(主催:自治体議員立憲ネットワーク)
冒頭の衝撃的な予測は、シンポジウムの中で飛び出したものだ。
地方議員から参院選挙の候補者調整をめぐる報告があった。
「山形県は舟山康江氏(前職)で一本化しつつある。無所属の統一候補として民主、社民、連合山形が推す」。山形市議会議員の石澤秀夫氏(社民)が現状を述べた。
石澤氏は「共産党は候補者を降ろしてくれるのではないか・・・」と期待を示した。きょうのシンポジウムに出席していた共産党の山下芳生書記局長に“陳情”した格好だ。
新潟市議会議員の中山均氏(みどりの党)は、楽観的な見通しを示した―
「共産党は候補者が統一されれば(今立てている候補予定者を)降ろす用意があると言っている」と。
この件について筆者は山下書記局長に確認した。書記局長は「誰が統一候補を決めるんですか?」と厳しい表情で答えた。
候補者統一は容易ではないようだ。参院選挙まで6ヵ月余り。もう時間がない、と焦る向きもある。
沖縄県議会議員の仲村未央氏は、衆院・沖縄4区の例をあげた。
昨年の衆院選で「オール沖縄」方式により仲里利信氏を擁立することを決めたのは、公示のわずか3週間前だったという。準備期間が極端に短かったにもかかわらず、仲里氏はみごと当選した。
選挙はタマ(候補者)だ。魅力的な候補者を立て全野党が結束しないことには、自民・公明・大阪維新には勝てない。
野党各党や支持母体は危機感を持って統一候補を選んでほしい。今度の参院選挙を日本史上最後の普通選挙としないためにも。
~終わり~