原発王国が続くのか、王国をひっくり返すのか。青森県知事選挙がきょう、告示された。
4期目を目指す三村申吾知事(自・公推薦 / 59歳)と大竹進候補(社民・共産推薦 / 医師64歳)の一騎打ちだ。
核漬けにされた青森県で脱原発を訴えてきた市民団体が擁立した大竹候補が、原発容認派の三村知事に挑む。
大竹候補は青森市役所前で第一声をあげた。
「青森県には大変危険な原発や核燃料サイクルがある。大間にはフルモックス原発が作られようとしている。県民の命を守るために方向転換して次のスタートを切る・・・」。大竹候補は現役の医師らしい立場から訴えた。
大竹候補は昨年11月に立候補を表明して以来、診療の合間を縫って県内約50か所で大小の集会を開き県民と対話した。
原発王国の中枢である六ヶ所村で「核燃をなくしても雇用はなくならない」と大竹氏が訴えると村民が手を振って握手を求めてきた、という。
「六ヶ所村で脱原発デモをした時はヤジやツバが飛んで来たのに、大竹さんが話すと分かってくれる」― 選対幹部は苦笑する。
「大竹進を支援する全国医療関係者の会」代表代理の遠藤順子医師は、今回の選挙は安倍政権との戦いと位置づける。
遠藤代表代理は「TPP(による混合診療、自由診療)で命に貧富の差をつけ、戦争法制で人が人を殺す安倍政権に大竹医師は明確に反対している」と強調した。
短命県の汚名も返上しなければならない。青森県はガンの死亡率が全国1位なのだ。
「3期12年間やってきて短命県から脱却できなかった三村知事に変えられるはずがない」。遠藤氏は厳しく指摘した。
六ヶ所村・核燃料再処理工場の試運転開始時期(2001年)と青森県のガン死亡率が全国1位になる時期がほぼ一致しているとする説もある。
放射能漏れ事故をはじめトラブル続きの核燃が、県民の健康に悪影響を及ぼさない道理がない。
県民の命を守る戦いは、原発再稼働を強引に推し進める安倍政権との戦いでもある。
今月10日、応援に入った山本太郎参院議員は「大竹さんが当選したら永田町がひっくり返る」と喝破した。
原発政策の矛盾と虚構を一身に背負った青森県のトップが変われば、国の原子力政策をひっくり返すことも不可能ではない。
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