厚労省は何度薬害を繰り返せば気が済むのだろうか。
「子宮頸がんワクチン」を接種したため重篤な副作用に苦しむ被害者とその親たちが、きょう、厚労省前で接種の再開中止と実態調査を求めた。
厚労省がきょう午後、ワクチンの副作用について審議する検討部会を開いたためだ。
子宮頸がんワクチン(薬剤名:ガーダシル=米MSD社/ サーバリックス=英グラクソ・スミスクライン社)をめぐっては、欧米などで手足の疼痛や記憶障害など重い副作用があることが報告されていた。
にもかかわらず厚労省は2009年10月に承認、同年12月から一般の医療機関で接種ができるようになった。
行政が強く勧めたため、337万人もの少女がワクチンの接種を受けた。その結果、副作用を訴える少女が相次ぐようになった。だが厚労省は因果関係を認めず、子宮頸がんワクチンは法定接種のままだ。
厚労省は一年前から勧奨接種を休止しているが、「予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会」の委員10人のうち8人が、「安全対策調査会」は5人の委員のうち3人が製薬会社からカネを受け取っていることが明らかになっている。
政治家と製薬会社との密接なつながりも指摘されている。典型的な薬害である。
にもかかわらず厚労省は勧奨接種の再開にやる気満々と見られている。被害者や親たちに不安と怒りがつきまとう。
車イスの少女(中学3年・神奈川県)は中1から中2にかけてワクチンを3回接種した。昨年3月頃、2回目を打ったところ、過呼吸発作が出た。半年後に3回目を打ったら歩けなくなった。
下半身が痛く、過呼吸の症状が1日に4~5回現れる。記憶障害も深刻だ。友達の顔、ひらがなを忘れる。数が多くなると足し算もできない。
彼女は行政からハガキが来て子宮頸がんワクチンを接種するよう強く勧められた。友達からも「まだ打っていないの?」と言われたため、近くの病院に行き接種した。行政の強い勧めさえなければ、彼女が苦しむことはなかったのである。
本来なら高校3年生の女子生徒は、学校に満足に行けなくなったため高校2年生だ。降りしきる雨のなか少女は「私たちのような被害者を出さないで下さい」と訴えた。
国民の命と健康を守るはずの厚労省が、多くの少女たちに残酷な副作用のある薬を接種させてしまったのである。製薬会社の利益を優先させて。
薬害エイズから20年が経つが、厚労省と業界の癒着体質は何ひとつ変わっていない。
「全国子宮頸がんワクチン被害者連絡会」は、ワクチンを接種した337万人の少女の追跡調査を厚労省に要求している。厚労省は沈黙したままだ。