共産党議員と民族派右翼が同じ場所でスピーチし、「JR総連」「土建労組」の旗がはためく。TPPの裾野の広さをこれほど見せつけられたことはなかった。
米国のオバマ大統領とフロマン通商代表らの来日に合わせて、きょう、TPPに反対する人々が、議員会館前に座り込んだ。明日、オバマ大統領が訪れる首相官邸のすぐそばだ。
JRのような全国網の鉄道事業にまさか外資が進出・・・などと侮ってはいけない。レールを敷き列車を走らせなくても、西武鉄道のように外資が乗っ取るケースがあるからだ。
土建労組がTPPに反対するのは、規制撤廃で地元建設業者の優先枠がなくなる恐れがあるからだ。もちろん農民たちもムシロ旗を立てて座り込んだ。茨城県の農業団体はオバマ大統領とフロマン通商代表にアピールするため、英語で書いた横断幕を持ち込んだ。
北海道清里町の農民(50代・男性)は35ヘクタールの畑でジャガイモ、小麦、ビートなどを栽培する専業農家だ。「(安い外国産が入ってきたら)生活ができる状態でなくなる」と危機感を強める。
「TPP反対」を掲げて選挙に勝った安倍政権への反発の声も聞かれた。「安倍首相は屁理屈つけているけど背信行為じゃないか」。網走市の農民(60代・男性)は怒りを隠さなかった。
「右も左も関係なくグローバリズムから日本を守ろう」と訴えたのは民族派右翼・一水会の木村三浩代表だ。木村代表は「ISD条項が日本の主権を奪う」としてTPPに反対する。
この後、共産党の紙智子議員がマイクを握った。「アメリカの金融資本が日本を支配したいため、日本のルールを壊そうとしている」と核心を突いた。
イデオロギーも産業分野も関係なく、ことごとく日本を破壊する。それがTPPである。安倍首相は愛国者を気取る一方で、日本を米国の金融資本に売り渡そうというのだろうか。