【シノップ3部作 その1】 原発道路、建設急ピッチ 安倍首相訪問後、法改正

シノップ港。前方の山のように見えるのは岬で、そこが原発建設予定地だ。=写真:田中龍作=

シノップ港。前方の山のように見えるのは岬で、そこが原発建設予定地だ。=写真:田中龍作=

 黒海沿岸の漁師町シノップ― のこぎりの歯のように入り組んだリアス式海岸の入り江は、波静かで天然の良港であることをうかがわせた。どこまでも青い海と白塗りのモスクの尖塔が見事なコントラストを描いている。

 三菱重工業と仏アレバ社の共同企業体は、風光明媚な漁師町に4基の加圧水型原発(出力合計440万kw)を持ち込むのである。5月3日の安倍首相のトルコ訪問で優先交渉権を得たことにより、三菱重工の原発輸出は事実上本決まりとなった。同社のHPによると2023年の発電を目指している。

 事故が収束していない国の原発を持ち込まれる現地はどうなっているのだろうか。筆者はシノップを訪れた。イスタンブールから500~600キロも離れたトルコ最北端の県だ。
 
 日本とトルコが原子力協定を結ぶことで合意したのは、つい先月であるのにもかかわらず、原発建設に向けたインフラ整備はすでに着々と進んでいた。

 片側2車線ずつ(両側4車線)ある道路が真っ直ぐに走る。まだつながっていない箇所も多く、トンネルを掘り高架道路にするなどの建設工事が急ピッチだ。最寄りの都市サムソンとシノップを結ぶ「原発道路」である。

最寄りの都市と原子力発電所とを結ぶ「原発道路」は、広くてひたすら真っ直ぐ走っていた。=シノップ県 写真:田中龍作=

最寄りの都市と原子力発電所とを結ぶ「原発道路」は、広くてひたすら真っ直ぐ走っていた。=シノップ県 写真:田中龍作=

 「原発のおかげで道が良くなったよ」。取材車のドライバーは苦笑した。原発につづく道路が整備されているのは日本と同じだ。空港も拡張工事し原発に備えている。

 山にトンネルを掘り、野原に道を作る。自然破壊、環境破壊は心配ないのだろうか? 原発道路が走るシノップ県ガルゼ郡のオスマン・ベルオヴァジュックル郡長(日本の市長に相当)に聞いた―

 「大規模工事をする時は自治体の長の認可が必要だったが、エルドアン政権が最近になって法律を変え、政府の一存でできるようにした」。オスマン郡長は憤る。

 郡長によれば、法律が変わったのは安倍首相が来た直後だという。エルドアン首相率いるAKP(公正発展党)は議会で過半数を持っているため、いつでも法改正できるのである。政権あげて原発建設にまっしぐらといったところだ。

 シノップは農業(小麦、さとうきび)と漁業以外にはさしたる産業はない。土地がやせているのだろう。荒地が多い。

 主要都市から遠く離れ、さしたる産業もない。豊かになれない県に原発がやってくる。日本と同じ図式がトルコにあった。

黒海沿岸のシノップはトルコ最北端の遠隔地だ。イスタンブールは地図の左側のはるか外れた辺り。

黒海沿岸のシノップはトルコ最北端の遠隔地だ。イスタンブールは地図の左側のはるか外れた辺り。

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個人の自由や権利が大きく制限され、選挙さえも行われなくなる「緊急事態条項」の発令が現実味を帯びてきました。戦前に戻らぬよう田中龍作に権力の監視を続けさせて下さい。

田中龍作

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