13日夜の小川敏夫・新法務大臣の就任記者会見には絶望した。
検察改革について記者団から質問された小川新大臣は、郵便不正事件で厚労省の村木厚子さんが冤罪に陥れられそうになったことを引き合いに出した――
「虚構の構造を検察が作り上げることがあってはならない。村木さんのようなことが2度と起きないように、組織体制をしっかりと構築していきたい」。
本気で言ってるのだろうか?と筆者は首を傾げた。というのは、次のような事件があったからである。
12日、『健全な法治国家のために声をあげる市民の会』が東京地検特捜部を偽計業務妨害罪と虚偽公文書作成罪、同行使罪で最高検に告発した。(詳しくは12日付け『田中龍作ジャーナル』に記事掲載)
小川新法務大臣が指摘するF前田事件よりも大きな検察の虚構が刑事告発されたのである。筆者は「どう対応するんですか?」「検察が犯罪を犯してる訳ですからね」と質問した。
「私は報道されている範囲でしか分からない」。小川大臣は他人事のように答えた。
田中:「大臣が『報道されている範囲でしか分からない』というのは困るんですよ。しっかりして貰わないと」
小川大臣:「今日の時点では報道されている範囲しか知らない。この後、事実関係を確認して厳正な対応をしたい」。
田中:「いつまでに把握して頂けますか? そして、いつ厳正な対応をして頂けますか?」
小川大臣:「いつまでと言われても困りますけど、早急に行います」。
小川氏は、お役所の窓口で住民をいなすような答弁に終始した。「報道された範囲」などという冗談はやめてほしい。新聞・テレビが検察に不利になるような報道をするわけがない。事実、毎日新聞(13日付け)は、“検察は指摘されたような捏造をしていない”としか受け取れない記事を出している。
この大臣の下では可視化どころか検察の犯罪防止さえも期待できない。13日はそれが判明した夜だった。いつまで闇夜が続くのだろうか。
◇
小川新法務大臣の就任会見はIWJの録画でご覧ください。