日本初の西洋式庭園として1903年に開園した日比谷公園。古木巨木が鬱蒼と茂る。日本庭園のあたりは原生林の趣さえある。
SNSに日比谷公園のシンボルのようなバラと噴水の写真がアップロードされ「バラが撤去される」のコメントが添えられていた。
田中は胸騒ぎを覚え押っ取り刀で日比谷公園に駆け付けた。
「ガガガガ・・・」。日比谷通り側の門を潜ると、鉄パイプを打ち込むようなカン高い金属音が耳をつんざいた。
鉄パイプは第2花壇の輪郭に沿って打ち込まれていた。花壇を外から見えないようにするために建てる白い塀の柱となるのだ。
花壇といってもケヤキやクスノキといった高木とモコっとした低木が所狭しと並ぶ。事実上の林である。
東京都東部公園緑地事務所によると、工事は来年(2024年)5月31日まで続く。
・高さ3m以上の高木18本は移植する(現在の地点からの伐採である)。
・低木37本は撤去処分となる。
・芝生の面積は広くならない。
・通路は広がる。
・イベントのために可動式ベンチを置く。
~東京都の説明ここまで
古木は移植すると枯死するケースが多い。低木を撤去すれば、緑の体積は明らかに減少するのである。
外から隔てられたフェンスの中、つまり密室での作業となるため、市民がチェックすることは不可能だ。
第2花壇(事実上の林)は序の口に過ぎない。日比谷公園全体では野外音楽堂も含めて再開発が予定されており、1千本以上の樹木が伐採(都は「移植」と主張)されるものとみられる。
~終わり~
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