開戦から26日目、3月21日。
いったいロシア軍は、どんなミサイル(あるいは新型爆弾)を使っているのだろうか。
20日午後11時頃、キエフ市北西部の住宅地にロシア軍陣地の方角から飛来したミサイル(あるいは新型爆弾)が着弾し、高層ビルとスポーツセンターが全壊、スーパーマーケットが半壊した。
2日前の18日、キエフ市内の住宅地に着弾した新型爆弾が中層アパート6棟を全半壊させたが、今回の破壊力はそれを格段に上回る。
高層ビルは柱だけを残して壁はすべて吹き飛んだ。近くのスポーツセンターもペシャンコになった。たった1発で、だ。
爆心地から300m離れたアパートにすむイリヤさんは、地下のシェルターに避難するため階段を駆け下りていた時、着弾した。「建物が地震のように揺れた」と語った。凄まじい爆風だったのである。
被害が広範囲に及んでいるのが特徴だ。爆心地から300mも離れたアパートの窓ガラスが粉々だ。住民は当分住めない。
イリヤさん(会社員30代)はドンバス戦争が始まると間もなく、ルハンスクからキエフに逃れてきた。2015年のことだ。
「21世紀に2回も戦争に遭った。2回ともロシアの戦争だ。人生をやり直そうとキエフに来たのにこのざまだ」と悔しがった。
現場には爆発物が残っている可能性があるため、軍の特殊部隊が出て探索を続けている。メディアはすべて立ち入り禁止となった。
現場を見ないことには何も言えない。
明日(22日)は外出禁止令がキエフ市全域に敷かれる。翌23日には解かれる予定だ。
警察が現場に入ることを許可すれば、建物の焼け焦げ方、破損の程度、クレーターの大きさなどを視認したい。
~終わり~
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