元新潟県知事の泉田裕彦議員(自民)が、今回の衆院選挙で「裏金を要求された」とツイートし、騒然となった問題。
泉田氏本人が、きょう1日、国会内で記者会見を開き、次のように明らかにした―
事が起きたのは、選挙公示を翌月に控えた9月4日。新潟県議会議員で自民党長岡支部長の星野伊佐夫氏から2~3千万円の裏金を要求された。場所は星野議員の自宅。
星野氏からは「払わなけば選挙に落ちるぞ」とする文脈で金銭要求があった。
配って(払って)しまえば違法になるので、泉田氏は断った。
高鳥修一・自民党新潟県連会長に対応を求めたところ、「証拠はあるのか?」と聞かれた。泉田氏は「音声を録ってある」と答えた。
だが高鳥会長側からの返事は「新潟県連としては一切関わらない」ということだった。
「何でこんなことになるのか?釈然としない」。泉田氏が実名を挙げての記者会見に踏み切った理由だ。
実際、選挙戦ではウグイス嬢の手配やポスター貼りに困難が生じた、という。自民党公認の泉田候補は選挙区(新潟5区)で対立候補に敗れ、比例復活した。
泉田氏は「選挙に際して収支報告に載らない金銭を要求したという事実を自民党新潟県連として是認すべきでなく、星野氏を除名すべき」と求めている。
田中が「捜査当局に告訴告発するつもりはないのか?」と質問すると、泉田氏は「コメントは差し控えさせて頂きます」と答えた。
さらに「タブーに触れたことで、今後、選挙がやりづらくなるとは思わないか?自民党に居辛くなると思わないか?」と聞いた。
泉田氏の答えは明快だった。「選挙というのは民主主義の根幹をなすもの。選挙がやりにくくなる国であっては困る」。
泉田氏は自民党の新潟5区総支部長だ。地元記者によると、長岡市の自民党関係者は同党新潟県連に泉田氏の解任を求めている、という。
昨年5月、検察庁法を改正(悪)するため、自民党は衆院内閣委員会で強行採決に踏み切ろうとした。
委員の一人だった泉田氏が強行採決に反対したところ、与党理事から瞬殺で委員を解任された。
泉田氏を支持する世論でネット上は騒然となった。検察庁法改正(悪)に反対するツイッターデモが起きるなどし、同法改正(悪)は廃案に追い込まれた。
泉田氏の信念ある行動が世論を作り出したのである。氏は数少ない自民党良識派の一人である。
~終わり~