五輪選手村の入り口すぐ傍に小さなホテルがある。もちろん選手村の敷地の外だ。五輪期間中、赤字覚悟でこのホテルを前線基地にしようと目論んでいた。
ところが7月1日から組織委が全館貸し切りにした。
このため毎朝の所轄回りならぬ選手村回りが田中の日課となった。目に映る景色で明らかに変わったのは警備だった。
ガードマンだけだったのが警察も加わるようになった。他府県の警察も交じった。21日からは自衛隊がゲートに立つようになった。
外からの脅威が増しているわけではないのに、自衛隊まで出すとは。組織委による問題のはぐらかしである。
真の脅威は言うまでもなくコロナだ。22日、選手村であらたに4人の感染が確認された。選手村での感染者はこれで6人となる。(22日正午現在)
羽田空港近くの総合病院で発熱外来を担当する女医は「日本に来ないで下さい、と外国人選手に言いたい」と切実だ。
女医は「PCR検査よりも緩い抗原検査でこれだ。PCR検査だったら、もっと多い。こんな数ではきかない」と断言する。
選手村の建物は大会後、デベロッパーがマンションとして売り出すことを念頭に作られている。個別住宅なのだ。大型建築物に付き物の強制換気設備など端っからない。
こうした住宅に2人で1部屋、4人で1戸に滞在するのだ。いつ “家庭内感染” してもおかしくないのである。
マスコミ報道によれば、感染症対策のため入村は、競技開始5日前から認め、競技終了から2日後に退村となる。
外国人選手は「危険な暑さ」に見舞われている日本に着いて間もなく競技に臨まねばならない。体調面からして満足な結果は出せまい。
日本人選手のメダルラッシュとなる可能性が高い。「●●が金」。新聞テレビに囃し立てさせ、熱狂を作り出せば、菅政権や組織委はこれまでの不祥事を帳消しにできる。マスコミ報道に乗せられてはならない。
23日、不幸にして開会式が強行(凶行)されたとしても、選手の間にコロナが蔓延すれば、五輪中断はありうる。
~終わり~
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