オリンピックを何が何でも開催するための既成事実がほしいのだろうか。
スガ首相のお膝元である神奈川県とIT企業などは、きょう31日から3日間、横浜スタジアムで観客席を8割から満席にした状態で各種の調査を行う。政府のお墨付きだ。
調査とはー
・どんな時に観客はマスクを外すか。
・歓声をあげた場合、飛沫がどれだけ飛ぶか。
・混雑や滞留の具合。
・CO2(二酸化炭素)濃度
・感染者との接触確認アプリCOCOAの普及率
上記を調査するためにスパコン「富岳」、精密カメラ、CO2測定器などが投入されている。
夕方から始まる試合に先立ち、横浜スタジアム内で説明会があった。各種の機材が球場内の至る所に設置されていた。
記者会見では韓国『東亜日報』などの記者から「人体実験ではないか?」との質問が飛んだ。
世界の人体実験に関するガイドラインは、ナチスの医師による非人道的な人体実験に対する反省に基づき、1947年の「ニュルンベルク綱領」から始まった。
日本独自のガイドラインとしては、2014年に出された文科省・厚労省告示として「人を対象とする医学系研究に関する倫理指針」というのがある。 インフォームド・コンセント(説明と同意)や利益相反に関する記載がある。実験(や医療)に被験者が十分な説明を受け、主体的に合意していなければならないのだ。
横浜DeNAベイスターズの木村洋太副社長は「これは実証検査です」「ガイドラインとは別の話」とかわした。
チケット販売口では、住所・氏名・電話番号、メールアドレスの記入をし、同意欄にチェックして初めて購入する事が出来た。チケットは指定席だ。周囲でコロナ患者が出た時、特定するのに使われるだろう。
渡された紙には、どういう実験をするかという記載があった。同意はしたが、納得のいく説明はあったかというと、微妙だ。
入場してくる観客に聞いた。阪神タイガースのシャツを着た男性(30代)に「観客が多いと密になって怖くないのですか?」と聞くと「怖い」と間髪を入れずに答えた。
さらに「海外メディアなどは人体実験だ、と指摘していますが?」と重ねて聞くと「恐ろしさはある」と表情を引き締めた。
採取されたデータは、オリンピック開催に向けて、この上なく都合よく利用されるだろう。
~終わり~