【沖縄県知事選挙】自民党「玉城は射程に入った、逆転できる」

玉城デニー候補は故翁長知事の遺志を継ぎ「子供の貧困対策」を重要政策に掲げる。=17日、豊見城市 撮影:筆者=

玉城デニー候補は故翁長知事の遺志を継ぎ「子供の貧困対策」を重要政策に掲げる。=17日、豊見城市 撮影:筆者=

 自民党の最新情勢調査が官邸筋から流れてきた。「玉城44」「佐喜眞35」で、玉城デニー候補が佐喜眞淳候補を9ポイントリードした。この数字に自民党選対本部は「玉城は射程に入った」「十分に逆転できる」と踏んだようだ。

 圧倒的な知名度で告示前は優勢が伝えられた玉城だが、幕が上がってからは苦戦しつつある。理由は選対の ぬるさ である。市民選対の体裁を取りながら複数の政党が入り、統一性を欠いているのだ。

 東京から応援に入ったある国会議員は、どこをどう回るのかも告げられず街宣車に乗せられた。秘書は「戦術も戦略もない。誰が責任者なのか分からない」と嘆く。

 こんなことがあった。田中が玉城の翌日のスケジュールを聞くために那覇市内の選対本部に足を運んだ時のことだ。

 田中「明日のデニーさんのスケジュール教えて下さい」
 選対スタッフ「選対本部に行って聞いて下さい」

 田中「エッ!ここは選対本部じゃないんですか?」
 選対スタッフ「あ、そうでしたね」

 笑い話を通りこしてブラックユーモアだ。これが沖縄県知事選挙で起きているのだ。

故翁長知事の次男で那覇市議会議員の雄治氏。「もしデニーさんが負けるようなことになったらオヤジは何のために死んだのか分からない」と危機感を強める。=17日、豊見城市 撮影:筆者=

故翁長知事の次男で那覇市議会議員の雄治氏。「もしデニーさんが負けるようなことになったらオヤジは何のために死んだのか分からない」と危機感を強める。=17日、豊見城市 撮影:筆者=

 選対のスケジュール管理のズサンさは実害をも発生させる。15日、11時30分頃から12時頃まで那覇市小禄のジャスコ前で玉城が街頭演説すると聞き、「琉球新報」「日経新聞」「文藝春秋」「田中龍作ジャーナル」が待ち構えた。ところが待てど暮らせど玉城は来ない。

 玉城は我々から見るとジャスコ横で街頭演説をしたのだった。メディアが待ったのは、モノレールの小禄駅前で、地元の人たちが言うには、ジャスコ前とは小禄駅前のことだ。琉球新報のカメラマンは「電話で選対に確かめて来たんだけどなあ」と首を傾げた。

 村八分を恐れずに玉城支援に回った創価学会関係者は、玉城選対本部を訪問したのだが、「危機感のなさに驚いた」という。

 危機感のなさには地元紙のべテラン記者も呆れる。「玉城選対には『辺野古埋め立て反対』なんて言ってほしくない」とブチ撒けた。

 選対が ぬるい と勝つ選挙も負ける。35万票出るところが30万票足らずになったりするからだ。

 支持者やメディアをアッと言わせた「伊江島からの第一声」戦略はどこへ行ってしまったのだろうか。
 (敬称略)

~終わり~

田中龍作の取材活動支援基金

■郵便局から振込みの場合

口座:ゆうちょ銀行
記号/10180 番号/62056751

■郵便振替口座

口座記号番号/00170‐0‐306911

■銀行から振込みの場合

口座:ゆうちょ銀行
店名/ゼロイチハチ・0一八(「ゆうちょ銀行」→「支店名」を読み出して『セ』を打って下さい)
店番/018 預金種目/普通預金 口座番号/6205675 口座名/『田中龍作の取材活動支援基金』

■ご足労をおかけしない為に

ゆうちょ銀行間で口座引き落としができます。一度窓口でお手続きして頂ければ、ATMに並んで頂く手間が省けます。印鑑と通帳をお持ち下さい。
記号/10180 番号/62056751 口座名/タナカリュウサクノシュザイカツドウシエンキキン

連絡先
tanakaryusaku@gmail.com
twitter.com/tanakaryusaku

沖縄