小沢一郎・民主党幹事長の資金団体による土地取引き事件をめぐって政治資金規正法違反の罪で起訴された石川知裕衆院議員は、12日に離党することになった。
離党をやむなしとする最大の理由は21日投開票の長崎県知事選挙だ。事件の影響で民主党の推薦候補は厳しい戦いを強いられているため、何らかのケジメが必要というのだ。国会の予算審議などもある。
石川議員は小沢幹事長を逮捕あるいは在宅起訴したい東京地検特捜部の見込み捜査の犠牲になったともいえる。特捜部は石川議員を叩けば「小沢が指示した」との自供が取れるものと甘く見ていた。
石川議員が保釈された後、直接話をしたという鈴木宗男議員(新党大地)がいみじくも語る。「石川議員は特捜部の取り調べに『川村(尚=当時社長)とは会ったこともない、ここに連れて来てくれ』と話した』。
特捜部は、小沢幹事長の指示についても石川議員から供述は取れなかった。ゼネコンになりふり構わず家宅捜索を掛けまくったが、少なくとも今回の土地取引事件に関する物証は得られなかったもようだ。
筆者は小沢幹事長や石川議員の肩を持つわけでも何でもない。民主党のある古参秘書は「秘書の虚実記載を探そうと思ったらどこにでもある」と指摘する。特捜部に狙われたら誰でも「形式犯」でやられる、ということだ。しかもずさんな思い込み捜査で。
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