安倍政権は15日、集団的自衛権の行使を可能にする11本の法案を国会に上程し、法案の総称を「平和安全法制」と名付けた。
「平和安全法制」をどう思うか? 市民団体がきょう、有楽町で道行く人にアンケート調査した。(主催:特定秘密保護法を考える市民の会)
平和安全法制に「賛成」「反対」「わからない」を問うシール投票だ。
「平和と安全のための法律だったらいいんじゃないの」と騙されて「賛成」にシールを貼る人が少なからずいた。
主催者が「戦争法案ですよ」と説明すると「エッ!そうなの」と言って賛成に投じたシールをはがす女性(30代)もいた。
名門私立大学の4年生(女性)は「平和のために戦争をしないための法律、と一見思ってしまう」と首をかしげた。
仲間と共にシール投票した女性(20代)は「安倍首相は詐欺師」とまで言った。
30代の僧侶は法制には賛成としながらもネーミングについては「平和だとか人権だとか友愛だとか、オブラートにくるまずに現実に即した法律名を付けるべき」と苦言を呈した。
今国会で最大の争点となる法案を、マスコミが「平和安全法制」と連呼する。多くの国民は「平和のために戦争をしない法律なんだ」と洗脳されてしまうだろう。
安倍首相は記者会見で「米国の戦争に巻き込まれることは絶対にありません」と大見得をきった。
安倍さんの言葉を信用できるか? 『田中龍作ジャーナル』ではシール投票を終えた人たちに聞いた。「信じられる」と答えた人は一人もいなかった。
シール投票の結果は「平和安全法制(戦争法案)」に「賛成」が31票、「反対」が160票、「わからない」が8票だった。
「反対」がわずかに上回るマスコミの世論調査とは、隔たりのある結果となった。
与党は法案を審議する特別委員会の名称も「我が国及び国際社会の平和安全法制に関する特別委員会」としようとしている。
平和安全法制は略して「平安法」というのだそうだ。閣議決定までは「安保法制」と呼んでいたのに国会に上程したとたんに平安法となった。
「ロレックス」と称して金ピカの安物を売りつける悪徳商法があるが、それと似ている。
「安倍首相は詐欺師か」と問うシール投票を行ったら「Yes」のシールが何万枚あっても足りないだろう。
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2013年9月ブエノスアイレスのIOC総会で、安倍首相はオリンピックを東京に誘致するために「(原発事故の)状況はアンダーコントロール」とウソをついた。
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