拡がる貧困をくいとめよう。貧困問題に取り組んでいる全国各地のボランティアなどが対策を話しあう集会がきょう、都内で開かれた。(主催:「反貧困全国集会2014」実行委員会)
北海道から九州まで全国22地区にある「反貧困ネットワーク」のうち14地区の代表が、集った。貧困の当事者も出席し、会場は立ち見も出るほどの超満席となった。
広島県の代表が現状をずばり指摘した―
「生活保護基準を満たしていながら、保護が受けられずに倒れてゆく。(生活保護受給に)つなげられるような対策を練っていく必要がある・・・」
厚労省の被保護者調査によれば、生活保護被保護者人数は2010年に200万人を突破し、2011年には206万人になった。今年2月の速報値では216.6万人と、3年間で約10万人増加した。
雇用と生活が不安定な非正規労働者はいまや労働者全体の36・7%を占める(2013年時点、総務省調査)。安倍政権の労働法制緩和で、非正規労働者の割合がさらに増えることは確実である。
生活苦に消費税増税が追い討ちをかける。貧困は拡大する一方なのだ。
海外メディアは早くから「アベノミクスは失敗だった」と指摘していた。国内のエコノミストも同様のことを言い始めた。
だが新聞・テレビはアベノミクスの失敗には触れない。それどころか、「景気は回復傾向にある」とする黒田日銀総裁の虚言を垂れ流す。
3年前、ニューヨークで一握りの強欲資本家のために貧困の淵に沈められた「99%」の人々が公園をオキュパイする事件があった。きょうの集会では、この時の映像も紹介された。
アベノミクスの失敗を報道できないメディアが映し出す社会より、きょうの「反貧困全国集会」の方が、はるかに現実を表している。これは「99%」の集いだ。