自民党の再生はもうない

自民党本部前。=8月、撮影:田中龍作=

総裁選が前倒しされようがされまいが、自民党が往時の勢いを取り戻すことはない。

自民党が有権者に愛想を尽かされたのは、この党が民意とまったく掛け離れた政治をしているからだ。

自民党が2日に発表した参院選の総括で『国民の声を聴く活動の不足』なんて悠長なことを言っているが、改善のしようもない。

こうなったのは小選挙区制(1994年導入)によるところが大きい。 

中選挙区制では自民党のライバルは自民党だった。定数3で、「自民」「自民」「社会」が指定席とすると、自民党はそこに3人も候補を立てたりした。

2人しか立てなくてもトップ争いをした。地元の面倒をどれだけ見ているかで競った。

支持者の家の子は、長男がこんど高校に上がって、長女が中学校に上がって、という所まで知っていて、進学、就職の面倒を見た。

選挙区の子供は自分の子供だという保守政治家ならではの自負があった。

田中の親戚筋は自民党の地域ボスに高校を出してもらった。民草の事情を把握して対応しないことには自民党議員として当選を重ねることができなかったのだ。親戚筋は終生、自民党に投票した。

石破首相に続投されると困るアベ派裏金ツボ議員たち。=昨年2月、自民党本部 撮影:田中龍作=

1994年は日本政治のターニングポイントだった。小選挙区制になり、党の公認を得ることが至上命題になった。地元有権者の声は二の次になったのである。

かりに中選挙区制に戻したとしても、世襲が3代目、4代目まで行ってしまったら、手の施しようがない。

東京生まれで東京育ちのボンボンがたまに選挙区に帰って、取って付けたようなお国言葉で何が話せるというのか。

どうしても保守でなければならないという層に向けては、国民民主党と参政党がある(田中は両党とも支持していないが)。

自民党でなくてはならないという政治環境はもはやなくなった。それもわきまえず、内紛に明け暮れ、自らの醜態にも気づいていない。

石破おろしは自民党の最終章となるだろう。

「さようなら自民党政治」が現実のものとなりつつある。=昨年3月、国会正門前 撮影:田中龍作=

  ~終わり~

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