レバノンのナショナルキャリア Middle East Airlines の乗務員には敬服しかない。よく飛ぶな、と。
ベイルート国際空港近くでは連日のように、大規模爆発がある。4日前には今回の戦争で最大級の爆発があった。ヒズボラの武器弾薬庫にイスラエル軍のミサイルが着弾したのだ。
空港のあるベイルート南部のダヒーヤはヒズボラの強固な支配地域なのである。
タクシードライバーは「ボンボンボンbomb」
「(道路を指さしながら)クローズド」と言って、爆撃のため空港周辺が通行止めになったことを表現した。
闇夜に浮かぶ黒煙が不気味だった。化学製品が焦げたような臭いがあたりを覆っていた。
この大爆発を受けて、BBCは「すべてのフライトがキャンセルされた」と伝えた。田中が日本を出発する直前だった。さすがにガックリきたが、「行ける所まで行こう」と気を持ち直した。
中東某国の国際空港に行ってみると、Middle East Airlines が、ベイルートに向けて飛んでいるではないか。
イスラエルのエルアル航空も戦火の中を飛ぶ。こちらは軍用機並みの防弾装備を施しているとまで言われる。
戦争慣れした国は、ミサイルを撃ち込まれようが、ロケット弾が飛んで来ようが、飛行機を飛ばすのだ。
日本の観念的タカ派の先生たちは知るがよい―
「きょうのウクライナは明日の日本」と叫んで米国の兵器を爆買いするのが、国防ではないということを。
~終わり~
◇
【読者の皆様】
田中は3枚のクレジットカードをこすりまくって戦禍のレバノンにやってきました。大借金です。
中東の大国イランを巻き込んだ大規模戦争に発展しつつある今回の衝突を、現地から伝える日本人ジャーナリストは今のところ、田中龍作だけです。
資金が続く限りイスラエルとパレスチナの最終戦争を取材するもりです。皆様のお力でどうか支えて下さい。