【レバノン発】ミサイルを潜り抜けて飛ぶ 紛争地の航空会社

田中が到着した5日、イスラエル軍からミサイルを撃ち込まれた集合住宅。ウクライナで嫌というほど見てきた光景が広がっていた。=6日、ベイルート 撮影:田中龍作=

レバノンのナショナルキャリア Middle East Airlines の乗務員には敬服しかない。よく飛ぶな、と。

ベイルート国際空港近くでは連日のように、大規模爆発がある。4日前には今回の戦争で最大級の爆発があった。ヒズボラの武器弾薬庫にイスラエル軍のミサイルが着弾したのだ。

空港のあるベイルート南部のダヒーヤはヒズボラの強固な支配地域なのである。

タクシードライバーは「ボンボンボンbomb」
「(道路を指さしながら)クローズド」と言って、爆撃のため空港周辺が通行止めになったことを表現した。

闇夜に浮かぶ黒煙が不気味だった。化学製品が焦げたような臭いがあたりを覆っていた。

ミサイルを撃ち込まれても繁華街には酔客が繰り出す。紛争地のしたたかさだ。=5日深夜、ベイルート 田中龍作=

この大爆発を受けて、BBCは「すべてのフライトがキャンセルされた」と伝えた。田中が日本を出発する直前だった。さすがにガックリきたが、「行ける所まで行こう」と気を持ち直した。

中東某国の国際空港に行ってみると、Middle East Airlines が、ベイルートに向けて飛んでいるではないか。

イスラエルのエルアル航空も戦火の中を飛ぶ。こちらは軍用機並みの防弾装備を施しているとまで言われる。

戦争慣れした国は、ミサイルを撃ち込まれようが、ロケット弾が飛んで来ようが、飛行機を飛ばすのだ。

日本の観念的タカ派の先生たちは知るがよい―
「きょうのウクライナは明日の日本」と叫んで米国の兵器を爆買いするのが、国防ではないということを。

 ~終わり~

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