『三井不動産とマスコミと東京都』 三位一体の乱開発

重機が唸りをあげる築地市場跡地と朝日新聞本社。=24日、勝どき橋より 撮影:田中龍作=

 怪しいことだらけの小池都知事。なのに知事の定例会見でなぜ記者クラブはヨイショ質問ばかりをするのか。理由が明らかになった。

 新聞社やテレビ局が東京都の巨大再開発事業に参加しているのである。

 小池知事が「豊洲は活かす、築地は残す」と嘯いて魚河岸を騙した築地市場の移転。広大な築地市場跡地(19ha)にはドーム球場などが建つ。

 事業予定者は三井不動産をリーダーとして読売新聞グループ、朝日新聞社、トヨタ自動車など11社だ。読売新聞グループには日本テレビも堂々と名を連ねる。

 東京都都市づくり政策部・土地利用計画課によると、今年度末(2025年3月末まで)までに契約を結び、事業者予定者は事業者となるがハネられることはほぼない。

 読売新聞、日本テレビ、朝日新聞などが東京都が進める再開発の事業者となるのである。小池知事の定例会見で上記3社の記者から厳しい質問が出るはずはない。

イチョウ並木の真ん中を貫くのは都道である。いくらでも開発できる。=24日、神宮外苑 撮影:田中龍作=

 東京都のOB職員3人が三井不動産に天下っていることが分かった。都議会本会議(昨年12月)で桐山ひとみ議員の質問に対して都総務局長が答えた。

 桐山議員は「都市計画公園、緑地を三井不動産等デベロッパーに譲り渡し、高層ビルやにぎわい施設を立地させる公園まちづくり制度を廃止すべきです。知事の見解を伺います」と迫った。

 知事に代わって都市整備局長が答弁し、「(前略)公園機能の早期発現と良好なまちづくりの両立を実現するものであり、ご指摘は当たりません」とかわした。

 だが現実は桐山議員が指摘した通りになっている。

 日比谷公園の再開発計画に見られるように、東京都が三井不動産のために、都民が望みもしないのに巨費を投じてリニューアルする。

 東京都が進める再開発に対しては、樹木を大量伐採する事業であっても新聞テレビから批判記事はほとんど出ない。再開発事業でうまい汁を吸えなくなるからだ。

 斜陽産業となった新聞発行とテレビ放映だけでは、会社が成り立たないという背景もある。

 マスコミが報道しなければ、住民は乱開発による環境破壊を知ることさえできない。行政と三井不動産のやりたい放題だ。

浜離宮のすぐ傍には高層のオフィスビルやホテルが建つ予定だ。緑豊かな景観は一変する。=24日、築地市場跡地 撮影:田中龍作=

 ~終わり~

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