「須藤元気が門前仲町駅の4番出口で(自らの著書である)『減税救国論』のパンフレットを配ってるよ」。江東区の選挙通から連絡が来たのは2週間くらい前のことだった。15区から出るつもりだなとニラんでいた。
須藤は立憲民主党在籍時、消費税減税についてツイートし、志を同じくする山本太郎の選挙(2020年、都知事選)で応援演説したため党幹部から厳重注意をくらった。離党届けを出したが認められなかった、という経緯がある。
その須藤がきょう3日、衆院東京15区補選(28日投開票/16日告示)への出馬会見を行った。
「偏った政策のおかげで私たちの生活が奪われた。一部の富裕層のみを優遇するバランスを欠いた政策であることは明らか」。話の趣旨が4年前、山本の選挙での応援演説と同じだ。まったくブレていない。
「苦しんでいる国民のために『消費税減税』と言っているのに、それが言えないのが政治の世界だなんて」。須藤は口惜しさをぶつけるように話した。
経団連の労働部が連合で、連合の政治部が立憲民主党だ。政権与党の自民も野党第一党の立憲も経団連に支配されているのだ。庶民は搾り取られるだけである。
「こんなに真面目で勤勉な日本人が一生懸命働いているのに30年間経済が発展しないっておかしくないか。国民の生活が苦しくなるっておかしくないか。政治がいけないんでしょ」
「与党も野党も国民の方を向いて政治をしていないって国民は皆気付いている」。図星である。投票したい野党がないのが原因だ。
「与党も野党も一度壊して新たに救国政権を作る時じゃないですか。右でも左でもない。私たちのリアルな生活を取り戻すんです」「国民の方を向いた政治を一緒に作って下さい」。須藤は声を絞り出すようにして訴えた。
自民党の現職議員が2人続けて逮捕起訴された東京15区。カネも組織もない無所属候補の須藤が単騎戦いを挑む。
政界の格闘家は今回の選挙戦を織田信長の「田楽桶狭間」に譬えた。なかなかの策士である。(文中敬称略)
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