またしても外圧頼みとなった。数十年もの間タブーだったジャニーズの性加害は、BBCが報道し、被害当事者が日本外国特派員協会(FCCJ)で記者会見したことで、初めて火がついた。
都心にあって深々とした緑地帯となっている神宮外苑の森が、開発亡者たちの思惑で危機的な状況にさらされている。
ユネスコの諮問機関であるイコモスが7日、ヘリテージ・アラートを発し、開発計画の撤回を求めた。
事態が動き始めた。開発許可を出した当事者であり、伐採の女帝とまで異名を取る小池都知事が手のひら返しで、「事業者にはしっかり対応していただきたい」と述べ、樹木の保全策を具体的に示すよう求めたのである。
9月中にも行われる予定だった伐採は、今のところ不可能な状況にある。
日本イコモス国内委員会の岡田保良委員長、石川幹子理事、「神宮外苑の自然と歴史・文化を守る国会議員連盟」の船田元代表がきょう21日、日本外国特派員協会(FCCJ)で記者会見を開いた。
石川理事は「外苑を守らないと皆さんのふるさとが粉々になる」と警鐘を鳴らした。
主だった公園のある都市中心部は一番地価が高いので、法律を変えるだけで莫大なカネを生み出す。
外苑の乱開発を阻止できなければ「防波堤が決壊する」。すなわち同様の問題があちこちで発生することになるだろうというのだ。
欧米の諸都市は緑を増やす政策を実施しているのに、日本はそれと真逆を行く。ヒートアイランド現象の観点からも世界に対して恥ずべき愚行である。
ヘリテージ・アラートは13年間で24件が発出された。神宮外苑は24件目にあたる。
新聞は全面広告で頬を叩かれ、テレビはラグビー、プロ野球という人気スポーツに跪く。日本の大メディアをアテにすることはできない。
ジャニーズ問題のようにBBCに頼む他ないのだろうか。
~終わり~
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