神宮外苑の最もデリケートな「建国記念文庫の森」にユンボが入っていたのを田中がカメラに収めたのが、16日のことだった。
それから6日後のきょう22日、森を覗いたところユンボは16日の場所にはなかった。森の奥深くにまで入ったのか、それとも撤去されたのか。業者に聞いてみないことには分からない。
ただ現場はピリピリしていた。「建国記念文庫の森」前の歩道にはカラーコーンが置かれ近づくことができないようになっていた。作業員が歩哨に立っていた。
田中は構わず歩道に入った。脚立を置く余裕などなかった。カメラを握った手を伸ばして拝み撮りで森の中を撮影した。
作業員がすぐに飛んできて「ここは入れませんよ。我々が警察から道路占有許可を得ていますから」と警告した。「警察」の名を出して大人しくさせたいのだろうか。
拝み撮りで撮影した画像を見ると、前回16日訪れた時の場所にユンボはない。撤去されたのであればともかく、森の奥深くに進行したのであれば、恐ろしいことになる。
ユネスコの諮問機関であるイコモスがヘリテージ・アラートを発出し、開発計画の撤回を求めているのにもかかわらず、森周辺では工事が着々と進む。
下水管工事は明らかに新たな施設建設のためだ。工事が始まって間もない頃、現場監督に確認した。新国立競技場もそうだった。本体工事前の下水管工事は必須なのである。
建国記念文庫の森には秩父宮ラグビー場が移設されてくるのだ。
神田警察署前のイチョウ並木も伐採の危機にさらされているが、地元住民が監視を怠らない。
市民が目を光らせることが肝要だ。
~終わり~
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