
ユンボは森の奥に進んだのか、それとも撤去されたのか。前回あった場所にはなかった。=22日、建国記念文庫の森 撮影:田中龍作=
神宮外苑の最もデリケートな「建国記念文庫の森」にユンボが入っていたのを田中がカメラに収めたのが、16日のことだった。
それから6日後のきょう22日、森を覗いたところユンボは16日の場所にはなかった。森の奥深くにまで入ったのか、それとも撤去されたのか。業者に聞いてみないことには分からない。
ただ現場はピリピリしていた。「建国記念文庫の森」前の歩道にはカラーコーンが置かれ近づくことができないようになっていた。作業員が歩哨に立っていた。
田中は構わず歩道に入った。脚立を置く余裕などなかった。カメラを握った手を伸ばして拝み撮りで森の中を撮影した。
作業員がすぐに飛んできて「ここは入れませんよ。我々が警察から道路占有許可を得ていますから」と警告した。「警察」の名を出して大人しくさせたいのだろうか。

神宮外苑は開発により姿を変えようとしている。無残である。=22日、外苑 撮影:田中龍作=
拝み撮りで撮影した画像を見ると、前回16日訪れた時の場所にユンボはない。撤去されたのであればともかく、森の奥深くに進行したのであれば、恐ろしいことになる。
ユネスコの諮問機関であるイコモスがヘリテージ・アラートを発出し、開発計画の撤回を求めているのにもかかわらず、森周辺では工事が着々と進む。
下水管工事は明らかに新たな施設建設のためだ。工事が始まって間もない頃、現場監督に確認した。新国立競技場もそうだった。本体工事前の下水管工事は必須なのである。
建国記念文庫の森には秩父宮ラグビー場が移設されてくるのだ。
神田警察署前のイチョウ並木も伐採の危機にさらされているが、地元住民が監視を怠らない。
市民が目を光らせることが肝要だ。

カラーコーンが「立ち入り禁止」をアピールしていた。すぐ近くには歩哨が立つ。=22日、建国記念文庫の森前 撮影:田中龍作=
~終わり~
◇
【読者の皆様】
田中龍作ジャーナルの財政が危うくなっております。
読者お一人お一人のカンパに支えられながら13年間続いてきました。
どうか田中龍作に独自取材を続けさせてください。
よろしくお願い申し上げます。 ↓