共産党の議員団が、きょう27日、樹木3千本の伐採で揺れる神宮外苑を視察した。今月5日にあった自民・立憲・維新の国会議員による視察とは180度おもむきが違った。
前者(自・立・維)はお忍びで現地を訪れ三井不動産の説明を従順に聞いた。後者(共)は疑惑の核心に迫った。
一行はJSC(日本スポーツ振興センター)の案内で秩父宮ラグビー場に足を踏み入れた。
秩父宮ラグビー場が老朽化し手狭になったからという理由で、移転し建て替えるのである。これが3千本伐採の核心だ。
移転先は神宮第二球場と建国記念文庫の森。新・秩父宮ラグビー場が移転して来るため、同球場周辺と建国記念文庫の森の樹々3千本は伐採されることになるのだ。
今のままの場所で建て替えればいいではないか、と誰しも思うのだが、それでは大工事とならない。政治家にとってうま味が少ないのだ。
新ラグビー場は屋根付きになるのである。JSCは移転の理由として「日照の問題が出てくる」と説明した。屋根さえつけなければ、大きくならず、日照の問題も出てこない。
新国立競技場の建設で浮上した問題と同じだ。当初の計画では屋根付きだったが、建設費用が高騰することが分かり、屋根付き競技場は取り止めになった。
タムトモこと田村智子参院議員が、この問題を指摘したが、JSCからは要領を得た答えが返って来なかった。
そもそも屋根付きのラグビー場なんて聞いたことがない。にもかかわらずJSCは「ラグビー専用競技場」と言い募る。
共産党の都議会議員が「雪が降ろうが、雨が降ろうが泥まみれになってやるのがラグビーではないか」と質問したが、JSCはラグビー専用競技場であるという線は譲らなかった。
新国立競技場の建設、秩父宮ラグビー場の移転建て替えとも、森喜朗元首相の名前が浮上する。
ある都議会議員は「よくJSCが中に入れてくれたものだ」と目を丸くした。
同行した地元住民は「共産党の優秀な議員さんたちに騒いでもらわないと皆伐採される」と期待を寄せた。
東京は猛暑を通り越して危険な暑さが続く。ヒートアイランドの冷却に有効な緑地帯を破壊して何のための誰のための開発なのか。
~終わり~
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