家康の正室・築山は武田方に内通したかどで、嫡男信康と共に、信長から自害を強要される。いわゆる築山事件である。1579年。
築山を唆(そそのか)して家康と信長の同盟関係を引き裂こうとしたのは、米国CIAだった・・・
太陽が西から昇ってもありえないことを真顔で説かれたら、誰しも噴き出すだろう。
それが起きているのがウクライナ戦争をめぐる情報戦だ。デマをもとにゼレンスキー大統領や欧米を批判する。
「NATOの東方拡大」「ネオナチ」説などは、一見もっともらしいが、まっとうに調べればウソだと分かる。
在日特権などありもしないことを持ち出し特定の民族を叩く。これとまったく同じだ。「ウクライナヘイト」である。
中国や朝鮮半島に対するヘイトを批判してきたリベラルやインテリ層が、今度はウクライナヘイトに回っているのだ。
ベトナム戦争の際、彼らは米軍の侵攻を厳しく批判し、日本でベトナム反戦デモや集会を繰り広げてきた。
ところがベトナム戦争終結から半世紀経った今、一部のリベラルとインテリ層は「ホーチミンは外交に失敗した」「ソンミ村虐殺事件はベトコンの自作自演だ」と叫び始めたのである。
反米がすべての原理である。多くの日本人はそれで得心が行くのだ。
あやしげな反米親露サイトを翻訳ソフトにかけて日本語にしてアップロードする。それで結構な収入をあげているメディアもあるくらいだ。
岸田政権はこれからもウクライナへの援助を湯水のごとく注ぎ込んでいくだろう。(もちろん、それはそれで問題である)。
「日本がこんなに困っているのに、ウクライナに金をつぎ込むとは何事かっ!」。これまた東アジアへのヘイトと同じ構図である。
とはいえ国民の反感は募るばかりだ。
先にウクライナに攻め込んだロシアに「侵略を止めろ」というのが筋なのだが、一部のリベラルやインテリ層は、そうは言わない。
彼らは、ヘイトの現場でカウンターに立っている人たちに「君たちが大人しくしていればヘイトはなくなるんだよ」と言っているに等しいのだが。
~終わり~
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