マイナンバーカードをめぐるトラブルが新聞に載らない日はない。トラブルの種類も件数も計測不可能なほどだ。
「他人の年金記録が覗ける」といった個人情報の漏洩も怖いが、医療情報に関するトラブルは生命に関わる。
「保険料を払っているのにカードのエラーで無資格となり医療費の10割負担になるのではないか」
「違う人の薬を出されるのではないか」などと怯えている人は少なくないはずだ。田中も絶望的な気持ちになっていた。
だが、「共通番号いらないネット(共通番号・カードの廃止をめざす市民連絡会)」によれば、マイナカードは役所に持って行って返納できる。法律にそう書かれているのだ―
個人番号(マイナンバー)カードの交付を受けている者は、いつでも住所地の市町村長に返納できる(番号法施行令・第十五条の4)。
そもそもマイナカードは義務づけられていない。これも法律で書かれている―
住民基本台帳に記録されている者の申請に基づき、その者に係る個人番号カードを発行するものとする(番号法・第十六条の二)。
「マイナンバーカードが義務化される」などとするマスコミ報道に騙されてはならない。
改正(改悪)マイナンバー法により現在の保険証はマイナンバーカードと一体化される。紙の保険証は原則廃止とある。
だが、マイナカードを取得したくない人や取得が困難なお年寄りのために健康保険組合などが「資格確認書」を発行する。「保険証替わり」と考えてよい。
ただし資格確認書の有効期間は1年である。マイナ保険証への経過措置でしかない。
ここでも絶望する必要はない。
マイナカードを取得せず、「資格確認書」を持った人が百万人単位で出現すれば、すくなくともマイナ保険証の運用は不可能になるだろう。
勝負は来年秋である。
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