5日未明、ウエストバンク北部の都市ナブルスのバララタ難民キャンプで、アマール・アブ・ザイトゥーン少年(16歳)がイスラエル軍に射殺された。
同じ現場にいた従兄によるとザイトゥーン少年は、難民キャンプに侵攻してきたイスラエル軍を投石で追い返そうと外に出たところを、出会い頭に撃たれた。
イスラエル兵の放った弾のうち3発が、少年の足と腕と頭に命中。頭部が致命傷となった。(写真参照)
射殺現場は難民キャンプのど真ん中だ。路地には薬莢が散乱し、赤黒い血糊がベッタリとこびり着いていた。家屋の壁や扉は銃痕でえぐられている。地元ジャーナリストによれば、銃痕は5日のものだそうだ。
葬儀は少年が撃ち殺されたその日のうちに営まれた。難民キャンプの若者たちが総出で柩を担ぎキャンプを練り歩いた。
「イスラエルはパレスチナから出て行け」「(殺された少年の)母親は悲しんでるぞ」。シュプレヒコールは怒号となってキャンプの狭い路地に響いた。耳をつんざくような銃声が怒号に混じった。
イスラエル軍はほぼ毎日、ナブルスの難民キャンプの奥深くまで侵攻してくる。
ベイルート(レバノン)での市街戦に向けた訓練の意味もあるのだろうか。
連日のようにウエストバンクのどこかでパレスチナの少年が、イスラエル軍に射殺される。あるいは逮捕される。
武装勢力予備軍の芽を摘んでおこうというイスラエル軍の魂胆なのか。
ナブルスにはユダヤ教徒の聖地があり、緊張が絶えない。
~終わり~